エージェント活動 2021.04.13 UpDate

TUESDAY, APRIL 13, 2021

「世界規模での木材高騰。今、狙うべきは中古市場だという理由」

RE/MAXエージェント奥林です。


さて、今回はコロナによる建築業界の現状について解説いたします。



コロナによるロックアウトは世界的に影響を広げ、現在も留まることを知りません。


日本においても非常事態宣言などの緊急処置により、いったんは収まったかに見えても、宣言解除後すぐに第三波・第四波と事態は悪化の様相を見せ、頼みの綱と言われるワクチン接種についても、政府が当初、予定していた全国民への接種予定を大幅に見なすなど事態は深刻化しています。


それらによる経済界への影響は、宿泊・旅行など観光業界や飲食業界への影響が最も大きく、私たち不動産業界への影響は比較的少ないと言われてきました。


ですが新築建築に関してはその限りではありません。


現在において頭を抱えているのが、住宅用の構造木材の供給不安です。

新築業界ではオイルショックを模して「ウッドショック」とも言われています。

特に深刻なのが梁などに使用されている北米産の米松で、品薄状態により価格が大幅に高騰しています。


大きな原因として、コロナによる世界的規模のロックダウンが上げられています。


このロックダウンにより、港に入る貨物船が激減しました。



これにより船会社も運行を減便し、港湾労働者に対して自宅待機や解雇などの処置を行い企業が生き残る対策を決行しました。


そんな渦中でも世界に先駆けるように中国は、いち早く国家体制ならではの強硬処置を実施し、速やかにロックダウンを解除、輸出入を再開しました。


 ですが、相手先がそのスピードに順応することはできません。


輸出入先の各国港湾労働者が対応できないという悪循環が発生し、船は数日の寄港を余儀なくされ、経費が増加します。中国としても効率のために減便を行い、結局は「負のスパイラル」が発生している状態が続いています。


これらのことから海上経路は混乱し、船便の運賃は大幅に上昇しました。


この運送費の上昇と供給量の不足も価格高騰の原因の一つですが、さらに追い打ちをかけているのがテレワークの推奨によりオフィス出勤の必要性がないと判断した知的労働者階級の郊外移住特需です。



日本でも郊外移住は発展を見せていますが、政策としての低金利とそれによる株価高騰を背景として「金余り現象」が続いているアメリカは、日本の比ではありません。


郊外移住希望者による空前の住宅ブームが顕在化し、建築ラッシュによる材木需要が高まり、北米木材市場は過去最高値を日々、更新している状況が続いています。


このような情勢にたいして市場に敏感な中国は、輸入枠を拡大して世界中の木材を集める動きを活発化させています。


船賃の高騰と木材高値、この状況で日本に入ってくる北米産木材の価格がどのようになるかは説明するまでもないでしょう。

現在世界各国で「木材の奪い合い」が繰り広げられているのです。


アフターコロナで世界の先頭を走るアメリカと中国、この二大国の後塵を走る日本は、国際市場で競り負けています。


現在、日本が求める品質と購入希望額では木材が回せてもらえなくなっています。


このウッドショックは世界的な規模で発生しており、コロナの終焉が見通せない現状において先は見通せず、そればかりか事態は深刻化し、かつ長期化するという意見が多数を占めています。


これらの減少が長期化すれば、建築費などの価格に反映され結果的にこれから新築住宅を建築するユーザーがその負担をすることになります。


大手ビルダーは、構造材不足により契約工期での着工ができない現場が数多く発生しています。


こうなると単なる“お金”の問題では無くなってきます。



ねんのため木材の種類について解説を加えておきます。


一般的な大手ビルダーは、SPFホワイトウッド集成材を多用しています。


このホワイトウッドが、先ほどまでに解説した北米産やカナダ産木材です。


日本木材市場ではSPFホワイトウッド集成材の卸値が、ここ1年で約2倍まで高騰しています。

これまでに解説した内容をご理解戴いていればお分かりになるかと思いますが、ウッドショックが長期化した場合には新築住宅の建築価格が更に上昇することは容易に想像できることです。


もっとも大手ビルダーを中心として「海外が駄目なら国内があるさ」とばかりに国内産木材の争奪戦を繰り広げ、これもまた価格を上昇させています。



すでに契約をした、もしくは駆け込みで契約を行ったからと安心は出来ません。


建築御請契約書の約款には、必ず記載されている「資材高騰時の契約額見直し」に関する条項です。


記載方法は会社により異なりますが、内容については


「請負契約額は現時点の建築費にて算出されている価格であり、資材高騰等、契約額に影響を及ぼす価格の不均衡が生じた場合に、その価格増加分は発注者が負担する」と言った内容です。



「そんな馬鹿な!! ギリギリの予算で融資を組んで発注したのにいきなり値上げは契約違反だろう」となりますし、気持ちは分かります。


請負契約の基本的な考え方では、原価高騰を理由に一方的に価格を見直しすることを認めてはいません。


価格を変更する場合にも発注者のみにその負担をさせることは認めておらず、信義則に基づき協議の上、決定することとしています。


ですが価格の見直しについては請負に関する契約(民法632条各項)及び「建築業法」19条8項に基づき、約款にその内容を記載し説明を加えている前提において適法です。



問題は約款に記載されている内容を、現在の木材高値傾向も含め価格見直しの可能性が非常に高いと、一般ユーザーが理解できるように予め説明しているかどうかです。


この事態を想定していたという訳ではありませんが、2020年4月に改正された請負契約に基づき、国交省では令和2年9月に「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」を公開しています。


https://www.mlit.go.jp/common/001365336.pdf



心ある地場工務店などは、発注者のため赤字覚悟で資材高騰分の赤字を飲み込むかもしれませんが、年間着工数の多いパワービルダーはどうでしょうか?


赤字負担が積み重なれば、企業の土台を揺るがす事態にもなりかねません。


営業担当者に悪意はなくても、企業方針としてドライに対応するのではないかと私は予想しています。


新築住宅はもちろん素晴らしい。


ましてや、自分で考えた間取りを実現できる注文住宅はなおのこと私たち庶民の“夢”とも言えます。ですが、それも適正価格で供給されているという前提があってこそではないでしょうか。


新築で建築した場合でも、居住を開始すれば中古住宅になります。


私たちが中古住宅の査定を行う場合には、建築メーカーの違いなども査定根拠に加味しますが、時代ごとに異なる建築費の要素を加味することはありません。


「高値買いが中古査定額に影響を及ぼすことはない」という原則をご理解下さい。


あくまでも住宅の既存状態や市場流通性、物件的特性を重視します。


最初から販売を視野に入れて新築を建築する方はいないと思いますが、将来的な資産性を視野に入れて建築時期を検討するのは大切です。


そのような目端の利く方を中心として、リノベーションを視野に入れた中古住宅市場が活性化しているのも時代の趨勢と言えるのでしょう。


 


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