お役立ち情報・ネタ 2020.11.30 UpDate

MONDAY, NOVEMBER 30, 2020

【世界基準_幸福度を引き上げる要因は?】

RE/MAXエージェント 奥林です。


先日、レギュラーでお受けしているコラム記事の執筆のために調査を行いました。


産業精神保健研究機構による各国の学術研究機関の報告をもとに作成された


「世界幸福度調査」ランキングデータです。


この国際的調査は世界の156か国が対象となり2012年から毎年行われていますが、WHO-HPQ日本語版と同様にキャントリルラダーCantril ladderと呼ばれる11件法を用いて主観的な幸福度を調査するとともに、1) 一人当たり国内総生産(GDP)、2) 社会保障制度などの社会的支援、3) 健康寿命、4) 人生の自由度、5)他者への寛容さ、6) 国への信頼度 の6項目を加味して順位付けし、世界ランキングを公表しているものです。



過去3年に関しての日本の順位については


2018年_54位


2019年_58位


2020年_62位


このように3年連続で順位を下げています。


幸福度統計において、日本で特に低いのが「他者への寛容さ」です。


もう一つ「繁栄指数」を構成する「社会関係資本」social capitalと呼ばれる尺度(家族との関係、社会的ネットワーク、対人的な信頼感、組織への信頼感、社会参加という5要素から算出)が著しく低いのにも特徴的な結果が見られます。


これら社会関係資本はソーシャルキャピタルとも呼ばれています。


定義づけとしては「家族以外のネットワーク(社会的なつながり)」を意味しています。


具体的にはボランティアや地域活動への参加地域社会での「人との信頼関係や結びつき」を示す概念です。



わが国の調査でも社会参加や連帯感、互助が豊かな地域に暮らしている高齢者は健康度が高いというエビデンスがでています。


つまり高齢者が積極的に地域コミュニティに参加して、活動を行なえる環境です。


 


他の統計尺度である健康度(167か国中2位)や教育(167か国中7位)が世界的に見てもトップクラスであるにもかかわらず、この社会関係資本の劣悪さが足を引っ張って総合順位19位に甘んじているというのが現状です。



毎年、幸福度ランキングで上位を占めている国は「フィンランド・デンマーク・スェーデン・アイスランド・ノルウェー」がレギュラーとして幸福度が高い国として上位を占めています。


つまり、北欧諸国がおしなべて幸福度が高いと言うことです。


ご存じのように、北欧諸国は歴史や文化・社会性において共通点が多く、特に福祉サービスや医療制度などのセーフティーネットが充実していることが特徴です。


「良いサービスを受けるには、お互いがそれなりの負担をしなければならない」と言う、高福祉・高負担の考え方が根付いており、制度維持のための消費税は25.2%~32.3%と高額です。


但し高額な税負担に対して、例えばスェーデンであれば「子育て支援」のために児童手当と両親手当が支給されます。子供が16歳になるまで金銭的な援助を受けられ、子供1人あたり480日間の育児休暇も支援しています。


また、出産費用や20歳までにかかる医療費、大学までの学費も無料。「ベビーカーを利用している母親はバスを無料で利用できる」という特典もあります。疾病や障害をもつ子供には別途手当が支給されます。



ノルウェーも国連開発計画(UNDP)が発表している国民の豊かさ指数「人間開発指数(HDI)」で毎年トップにランクインされてきたノルウェー。付加価値税率は25%、食料品に関しては15%という高い税率で、世界一物価が高い国ランキングでも上位に選ばれています。


ノルウェーでは出産費用や学費は無料。医療費も年間自己負担額を超えた分に関しては無料となります。


高齢者に対して、医療や年金などの社会保障を充実させつつ、社会参画を推進しています。元気な高齢者は現役として働ける・地域社会で活躍できるよう、国として支援しています。


高齢者を資産とすることで国力の向上を促しつつ、高齢者自身の幸福度の向上にも寄与しています。



フィンランドは付加価値税率は24%ですが、軽減税率が導入されており、食料品や外食は14%、本・医薬品・宿泊サービス・公共交通機関の利用は10%となっています。国民負担率は世界第3位という高負担の国です。


学費は大学まで無償。住居手当や勉学手当も支給されます。「学校間・個人間の学力格差を極力なくし、全体を底上げする」という考え方が教育に反映されており、教育制度や設備が充実しています。生徒の学習到達度調査(PISA)では世界1位と評価されるほどの教育大国です。


例をあげた三国の共通するのは「税金が高いが、その税が国民に正しく還元されている」と、言う点です。


日本は健康度が高く、教育に関しても世界基準で上位に達しているけれども、反面として


「国が信用できないから、10年・20年先を見据えて蓄財に励まなければ将来が恐ろしい」とする日本と


「今日は明日の為にあるのではなく、今日の為にある」とする北欧諸国の社会福祉性の違いなのでしょうか?


地域コミュニティーの活性化と手厚い社会福祉


「故郷創生」を標榜するエージェントとしては、まだまだ学び続け提言していきたいと思っています。


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