RE/MAX エージェント 奥林です
11月も中盤を迎え、私の活動する北海道では初雪が降り、一気に白銀の世界へ突入しました
積雪地帯の多くは雪が降ると、土地の形状(境界や隣地取り合いも含めて)など目視出来ない部分が多くなることから、土地取引が激減します
北海道弁で表現すると
「なんも、雪が降って見えなくなるのに、そんなに急いで土地を買わなくてもいいしょ。春になって、雪が解けてからゆっくり探せばいいんだ」と、なります
何かの本で読んだのですが「雪国の人間は自然を前に『諦め』とも言える諦観を持っており、その様な点から思索が深くなる」と書いてあったのを思い出します
古典文学においてもドストエフスキーの、どことなく暗い心象を与える人間描写に優れた小説は、ロシアの自然が生み出したものかもしれません
もっとも雪が降っても我々、不動産のプロであればGoogleマップや地積測量図・公図などで判断が出来ますので、買取業務や査定にはまったく支障がないのですが…
さて前置きはこのへんで
私たちエージェントのメイン業は、つまるところが不動産営業です
つまり「売る・買う」を要望するクライエントから売却依頼、もしくは購入依頼を受け稼働します
実際の稼働前には、詳細なヒアリングを行います
ヒアリングを行いながら、内容に応じて詳細にコンサルティングを行いクライエントにとっての「最適解」を一緒に構築していく作業です
例えばですが、購入に関して言えば
クライエントが、当初から住みたい場所やその理由、必要な大きさ、購入金額目安の設定などを正確に説明が出来ることは多くありません
多くは「なんとなく」と、言った感じで漠然としているものです
テレビや雑誌など、視覚情報から得られたイメージが優先している場合も多く、部分的な居室イメージ(南欧風や和洋折中、アジアテイストなど)は持っていますが、全体としての居室配置や動線となるとイメージ出来ていないことが多いいのです
中古物件の場合のような現物であれば「合う・合わない」という観点から、物件に対してライフスタイルを合わせていただくことになりますが
大規模なリフォームやリノベーション、新築などの場合において図面を作成するには
初回ヒアリングに全精力を傾けて、詳細の聞き取りが必要となります
漠然としたイメージを、具体的に図面に落とし込む作業を行うためです
この場合におけるヒアリングは、予算総額や建蔽率・容積率などの法令上の制限、クライエントの要望を念頭に置きながらのテスト・クロージングを繰り返す知的作業となります
営業マンの優劣は、このヒアリング能力と提案能力が最も重要と言っても過言ではありません
レベルの高いヒアリングを行うには「知識と経験」が、必要とされます
米アップル創始者であるスティーブ・ジョブスが、スタンフォード大学の講演で語った「コネクト・ザ・ドッツ(Connect the Dots)」
情報の点と点を結んで、異なる情報から新たなる創造をうながすと言った手法には「知識・経験」が必要とされるからです
私が個人として目標としている「アメリカの不動産エージェントの社会的地位を日本で実現する」ためには、我々エージェントが成長するしかありません
購入希望エリアをヒアリングする場合も同様です
「価格が安くて、駅や商店街が近い○○エリアに住みたい」
購入予算に上限が無いのであれば、どのようなエリアでも探し出すことは可能ですが、現実には難しいでしょう
そのような要望を掘り下げていくと
「今、子供が通っている小学校の校区だから」
「主人の通勤に便利だから」
「ママ友が近くにいるから」
「実家に近いから」
などの理由が列挙されます
正直なところ費用対効果の観点から見ても根拠が明確ではありません
そこで心理学の応用や、コーチングスキルを駆使して「同調」と「質問」を繰り返しながら、クライエント自らが「真意」に気が付けるようにサポートを行います
ヒアリングの結果、現段階では購入しない方が良いと思われる場合があります
不動産仲介業ですから、コンサルティングを行っても「成約」にならなければ報酬は得られません(単純調査依頼や相談業務は除きます)
RE/MAXが独立採算のエージェントスタイルでなければ上司の顔を思い浮かべながら「売り込み」に入るかもしれませんが、私たちはフリーのエージェントつまり個人事業者です
個人の「信念」のもと、活動を行います
個人的にはジェントルマンとして、クライエントの要望に反しての「売り込み」は美学に反する
敬愛する立命館アジア太平洋大学_学長の出口治明先生は「こんなことを言っては不動産屋さんに怒られますが」と、前置きしながらも不動産購入に否定的な立場を取られています(もちろん、明確なロジックを持って説明されていますが)
出口先生のコメント理由の一つには住宅ローンが、あります
死後、財産を残さず存命中に「生き金」を使う、とされている出口先生に取って過去最低金利と言うメリットはありますが、35年返済で組んだ場合には借入金額の約2倍の支払いとになると言う現実は如何なものかと言う考え方です
そこから更に、支払総額に対しての住宅の資産価値(=リセールバリュー)に話が広がります
支払っただけの明確なメリットは何か、という観点です
イザというとき、不動産の換金性を伴う資産価値(=リセールバリュー)については諸説ありますが、リセールバリューが高い物件には「誰が見ても良い」と言う共通項があります
1.交通利便性
地域制も含めた都心か郊外かという広域における立地条件による交通の良しあしと、最寄駅から近いか遠いかという狭域面での立地条件を考える必要があります
もちろん都心もしくは都心に近い便利なところで駅にも近くて便利な住宅は販売価格自体も高いですが、リセールバリューもまた高いということができます
反対に郊外で駅からも遠く離れているようなエリアの住宅は需要も限定的で、販売価格が安価であっても相応に資産価値にも期待しにくいことになり、凡庸性に乏しく換金性が低いと言えます
2.生活利便性
衣食住の基本となる生活面全般について利便施設が満遍なく整っているかどうかがポイントになります
都市圏であればどこに住んでいても日用品、生活必需品は手に入るので生活利便性には大きな違いがないように思われますが、実際に住んでみると自分と家族に合った品物が購入できなかったり、商品のバリエーションが限られていて選択の余地がなかったりすることもあり、物価も含めてエリアによって相応の違いがあります
最近、発表された公務員の地域手当などは見事にこの地域性が手当として反映されています
生活には教育環境や余暇、飲食なども含まれるため、総合的に評価すると地域的な違いはかなり大きくなります
3.居住快適性
生活利便性に近い表現ですが、住宅特性と周辺環境に関する評価です
住宅の仕様・設備・形状や差別化される利点など、住宅の付加価値が居住快適性に直結するケースです
不動産広告などでキャッチコピーとして列挙される
「ご主人の“夢”書斎あり」
「○○ホームの注文建築」
「広々LDK」
など、主観的で根拠が曖昧な感じがする文章ではありますが、このような点です
他にもネガティブポイントとなりますが、住宅周辺に幹線道路や高速道路が面している場合には騒音や振動など、誰もが気になるところです
反対に公園や図書館が隣接している場合には落ち着いた生活環境が整っていると判断され、評価ポイントが高くなります
都心近くで繁華性が高く若年層が楽しく暮らすのに向いているとか、居住者の年齢や性別、暮らし方によっても異なるので、嗜好性が反映されやすいポイントとなります
住宅の資産価値(=リセールバリュー)も含めた総合的なご相談もお気軽にどうぞ
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