RE/MAXエージェント 奥林です。
私の尊敬する一人に,オーガニックスタジオ新潟(株)の相模 稔 社長がおられます。
社長の詳しい経歴については、下記会社ホームページをご覧戴ければと思います。
https://www.organic-studio.jp/
オーガニックスタジオ新潟は、建築業界で昔から言われていた「デザイン性と性能は相反する」との考え方や風潮に真っ向勝負を挑み、不断の努力によりデザイン性と性能をマッチングさせたこだわりの注文建築を手掛けておられます。
工務店としてはけして安いと言えない建築単価ながら、バックオーダー1年半以上(つまり契約から竣工まで1年半以上の待ち)の「スーパー工務店」として全国的に「知る人ぞ知る」会社です。
また住宅性能向上の普及に向けて、一般社団法人 パッシブ・ハウス・ジャパンなど複数の研究会にも参画されており、私の知己でもある東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻准教授の前_先生が提唱されている「これからはスーパー工務店の時代である」を実践されている方です。
最近では少なくなりましたが、相模社長はYKKAPフォーラムなどを中心に全国を回りながらセミナーもされていました。
相模社長は建築思想や講演会での語り口も秀逸ながら、最も面白いのが「自由奔放に書く」文章です。
社長が個人で展開されているブログを更新するたびに送って戴いてます。
今回のブログを読み「おっしゃる通り!!」と、膝を打ちました。
内容を一部、転用させて戴きます。
『日本における 中古住宅の建物部分に対する査定はかなりめちゃくちゃです。
建物の築年数で、経済的な残存価値を査定して、築30年てことになれば0円になってしまう。
私はヨーロッパで2年住んでいたことがあるけれど、住んだのはいずれも第二次世界大戦後まもなくに建てられた 築50年以上経過した建物でした。
彼らにとって、その住宅が0円である事はありえない。
法令対応年数で割り引いていって、査定する日本のそのやり方がまずおかしい。これからの高性能住宅が普及するにあたって良質な住宅も味噌くそ一緒でゼロ円査定にするならば永遠に中古市場は成り立たない』
まさにその通りです。
現在、日本の中古市場はそれなりに活性化しています。
相模社長も言っておられる通り、一般的な建売住宅レベルの家は30年もたてば建物評価は“0”です。
正確には、解体費用の分を土地査定額から差し引かなければならない。
そのような住宅は、私たち不動産業者が査定を行っても解体して更地販売するか、古家付き住宅として建物の契約不適合対象外として販売するかのどちらかです。
「安かろう悪かろう」で建築された家は、いたしかたないでしょう。
ところが日本の誇る古民家や、オーナーがこだわって建築した住宅も正しく評価がされません。
欧米諸国では筑後50年~100年の住宅が普通に売買され、金融機関もそのような住宅を担保として融資を行うと言った流れが根付いています。
私が査定を行い、躯体もまったく問題の無い日本家屋の融資を金融機関に持ち込んでも
「いや~奥林さん。築年数55年の住宅の建物評価は無理ですから、ご希望の金額はお出しできません」
「いやいや。審査の方に、きちんと中を見て評価してから判断するようにお願いして下さいよ。見もしないで判断できないでしょう。エビデンスとして写真も添付しているし、多少でも建築知識のあるかたなら見れば分かるから」
「そうは言っても、審査システムは機械的に出されてしまいますから、ちょっね…」
「そこを何とか」
「いや、規則ですから」
と、なります。
木造とレンガなど躯体寿命の違いはありますが、日本の誇る木材は高温多湿という日本特有の環境条件にあった素晴らしい材料です。
乾燥材である木材は、躯体として使用し適切な防水処理を行えば乾燥状態を保つことができます。
さすがに強制乾燥の集成材で数百年持つとまではいいませんが、精魂込めて建てられた古民家を支える天然乾燥の古材なら躯体寿命数百年はあたりまえです。
集成材であっても、防水処理や通気胴縁による乾燥状態を適切に保ち続ければ、普通に100年以上もちます(フロア材や住設機器が持つわけではありません。あくまでも、躯体寿命です)
建築技術が発展しても、肝心の金融機関が担保評価をしなければ自己資金がよほどない限り(もしくは建物評価0としての査定額で、ともかく安い)
欧米諸国のような住宅ストックの枠組みは達成できないでしょうね。
経産省と国交省も金融機関への、中古住宅担保査定の見直しは働きかけを行っていますが、いつになることやら…
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