文章表現や言い回しが、時に文学的になるからだろうか
「内容は空疎で参考にもならないけれど、やはり小さい頃からよく本をお読みになっておられたから書けるんでしょう」と文学書を抱えた悪ガキの姿を想像されてしまう。
確かに本好きではあったが幼少の砌、小脇に抱えていたのは漫画雑誌である。
幼き頃より本好きで文字の覚えも早かったらしく、末は「博士か………」と教育者である父親が期待を寄せていたらしいが、性分であるお気楽さが災いし小学校に上がっても一向に成績は上がらなかった。
そのような状態であるから短気な性格の父親からは早々に匙を投げられ、担任から「やれば出来る子だとは思うんですけどねぇ……」と言われた母親は「まあ、私の子ですから」とため息交じりに返答していたようだ。
日々、競技者として練習に明け暮れていた大学・実業団までは、勉強や仕事を放逐しても大会で実績を上げれば容認されていたが、引退して社会人の仲間入りをすれば甘えは許されない。
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