不動産に限らずであるが、必要項目を入力するだけで簡単に査定金額を確認できるインターネット簡易査定システムを利用される方が増加している。
もっとも多いのは「自動車査定」だろう。
年式・車種・走行距離を入力するだけで簡単に金額が算出される。
不動産については、さすがに自動車より入力箇所が多は多いが、サイトによっては「10~60秒で査定完了!」などと広告しており、実際に入力項目も少ない。
そのような「簡易査定で実際の売却金額が算出できる」と思う方は多くないだろうが、取りあえずの相場観を知る意味では良いのだろう。
であるが、不動産は簡易査定金額で売却できるほど簡単ではない。
簡易査定は、主に近隣売買事例から近似値の情報の平均値を表示するのだと思われるが、目安以上のものになりえないからだ。
私が不動産コンサルをしていることから「簡易査定ってどうなの?」と質問されることがある。
質問に対しては「近隣相場を知る、という意味では面白いでしょう」と答えるようにしている。
一昔前はこのようなシステムが存在していないから、電話で「〇〇町の土地は坪単価どのくらい?」との問い合わせがよくあったものだが、そのような場合には「電話でお答えできるほど簡単ではありませんから、詳しい内容を……」とお話しする。
であるが大抵は「いいから、金額を教えて!」と返されるので
しかたがなく「そうですねぇ坪20~30万円ぐらいで取引されているようですが……」などと答えていたが、我ながらかなり適当な答えである。
そもそも、土地の査定ひとつをとっても大きさや地型(土地の形状のことです)、間口や奥行きはもちろん土地に対する接道状況や道路の幅員、建ぺい率や容積率に影響を与える用途地域、それ以外にも建築協定の有無やハザードマップによる水害等の危険性、近隣嫌悪施設の有無や生活利便施設や最寄り交通機関までの距離、さらには公示価格や路線価、固定資産税評価額に日当たりなど、これ以外にも多数の調査を実施して初めて査定金額を算出できる。
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