執筆時
「雨上がりの朝もやに、かすかに香る新緑と柔らかな光
心穏やかに背を正し、墨をすり書をしたためる……」
なんてことは、もちろんしていない。
寝起きのまま、手短に着替えを済ませパソコンを立ち上げる。
コーヒーを飲み、朝の定番曲である「G線上のアリア」を聞きながらメールやニュースをチェックしつつ
頭脳が覚醒するまでの時間を過ごし、おもむろに執筆を開始する。
これが、実際の日常。
書き出しを格調高くした理由は
「奥林さん。最近、ブログの文体変わりましたね」と、言われたから。
「作家」ですと胸を張れないまでも、各種媒体に下手糞な文章を書き散らし、相応の報酬を得ていることから文章に関しては、あながち素人と言えない。
素人ですと言い切ってしまえば、文章の質に反して高額な執筆料を支払い戴いているクライエント様に申し訳が立たない。
ところで、先ほどの続きだが
なぜ文体を変えたかというと
「某出版社からエッセイの依頼がきた」からである。
なぜ私のような日本人の平均値から勘案して1.95倍も顔が怖く、素行も頭脳も明晰と言い難い不動産エージェントに依頼がくるのか理解に苦しむが
脅した覚えもなく、「お金」を払った記憶もない。
何か、担当者ならではの考えがあるのだろう。
本人の自覚として、ごく平均的な生き方をしてきたと思っていたのだが、そうやらそうではないらしい。
アスリートとして強化選手に指定されるも、オリンピック予選の敗退で臍をまげて引退。
引退後も指導者として大学などからお声がけ戴いたにも拘らず
「自分、生涯現役と決めていましたから指導者になるのはどうも……」と、思い返せば勿体ないセリフを吐いて辞退。
右や左どころか、分数の掛け算もままならないのに高額な報酬で募集していた不動産屋の面接を受けに行き
そのまま拉致監禁のごとく支店に配属され、“ブラック”では到底表現が足りぬ暗黒の不動産会社で仕事を覚え現在に至る。
そんな経歴から、事実であると言っても周りから信用されないような有難い経験を沢山させて戴き
我ながら、よくぞここまで生き延びたものだと思う。
このような遍歴を普段の会話に織り交ぜると、何故か面白いらしい。
本人としては単なる思い出話に過ぎぬのだが、一般の方からすると異世界の語り部となるらしい。
そこで、「奥林さんの話は面白いので、赤裸々な経験談をぜひエッセイ形式で」なぞと、依頼が舞い込んだ次第である。
文体の変更だが
いわゆる「です」「ます」という表現は「敬体」とよばれる柔らかい表現で、どちらかと言えば女性的な表現とされている。
ブログやネットニュースなどを見ると、ほとんどがこの「敬体」で書かれてるが
本来、文章は「常体」、つまり「だ」「で、ある」などの文体が基本だ。
特にエッセイなどは「敬体」で表現すると収まりが悪く、助詞や副詞、形容詞などの相性もよくない。
そこでエッセイの練習の意味も含めて、RE/MAXブログも「常体」に変更してしまった次第である。
種明かしといったほどのこともない、つまらぬ理由である。
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