RE/MAXエージェント奥林です。
いよいよ3月に突入いたしましたが、私の稼働する北海道はこれから本格的な「春」まで、一進一退の季節模様を繰り広げます。
暖かい日が数日続き、道路上のアスファルトが露出して車が走りやすくなったと思っていたら、突然の大雪で辺りは一面の雪景色になる。
このブログを書いている前日(3月2日)も大雪警報が発令され、一面が雪景色へと戻り道路が狭いうえにガタガタになってしまいました。
さて101回目となる今回のブログは、前々回までのテーマに戻し「聞いたことがあるけどよく分からない不動産用語」のうち瑕疵担保について。
瑕疵については、私のブログをご愛読戴いている方はよくご存じかと思いますが念のため
「通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと」
この瑕疵は、物件に限らず心理的な部分、つまり意思表示についても用いられる法概念です。
不動産における瑕疵担保責任は、通常の瑕疵とは少し異なり「見えざる瑕疵」とされています。
例えば、中古住宅の場合にはクロスや床などの表面上の傷や汚れ
このような物は内見時に発見できるものと捉え、最初から
「クロス補修を、お願い出来ませんか」とか
「入居後にクロスなどをリフォームしたいので、お値段を少し…」など、交渉をおこなうなど、あくまでも現状渡しで購入します。
ところが、壁内で断熱材が下がり隙間風が吹き込んだりするような状態は、内見時に目視で判断することが出来ません。
そこで、不動産に関する瑕疵担保責任は「隠れた瑕疵」をその対象としたのですね。
ちなみに、日頃から使っている「瑕疵」と言う漢字
自慢ではありませんが、私は書けません(書く気も無いですが)
閑話休題
さて、この不動産に関する瑕疵担保責任は「見えざる瑕疵」というあいまいな定義であったことから、「瑕疵にあたるかどうか」で、トラブルが発生することが多かったのです。
「見えざる瑕疵」が、「気が付かなかった瑕疵(瑕疵と呼んでいいのか疑問)」と混同されることによるトラブルですね。
例えば
A「引き渡しを受けて入居したら、クロスの汚れに気が付きました。これは瑕疵ですよね、張り替えて下さい」
営業「クロスの傷は内見時に見ていますよね。だったら瑕疵ではありません。あくまでも不動産の瑕疵は『見えざる瑕疵』ですから、クロスなどの傷は含まれません」
A「内見の短時間で、そこまで見れるはずがないでしょう。こんな傷がついているなら最初から購入しませんでした」
極端ではありますが、不動産の瑕疵定義から始まり「こんな傷がついているなら最初から購入しない」という、「動機の錯誤」や「心理留保」の問題にまで発展しようとしています。
定義があいまいで、そのために余計なトラブルが多発していたことが原因かどうかは分かりませんが、2020年4月に、不動産の瑕疵は「契約不適合」に変わりました。
ちなみ「契約不適合」の法概念は
「売買や請負において、契約に基づいて引き渡された目的物が、種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合していないこと」と、なっています。
目的物が不動産の場合には、品質に関する不適合が判断基準であるとされています。
これもまた、解釈次第で色々と議論されていますが「見えざる瑕疵」というあいまいな法概念と比較すれば、「契約の目的に適合していない」と、する方がまだましかなと思います。
いずれにしてもインターネット全盛で、分からない用語は「OK Google」で簡単に調べられても、意味を理解できるかは別の話です。
私たち不動産業界の人間、特に個人で動く不動産エージェントは、常に知識拡充を行い理解を深め「分かりやすく、的確に」クライエントに説明を行うしかないのでしょう。
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