エージェント兼、不動産コンサルタントとして活動をしていると様々な相談が寄せられる。
私自身、広告活動を熱心にしているとはいえないので、知人経由や各社に寄稿した記事を読んで依頼してくる方が多い。
つい先日、クロスを多少、焦がした程度の軽妙なボヤを発生させたことにより賃借人に「善管注意義務」があったとして、管理会社から一方的に契約解除を迫られ「そのような対応は法的に有効なのか?」との相談が寄せられた。
ちなみに善管注意義務とは、正式には「善良なる注意者の管理義務(民法400条)」のことであり、賃貸借においては「善良な管理者の注意をもって賃貸目的物を保管すること」と理解すればよい。
ちなみに善良なる管理者とは「当人の社会的、経済的な地位に応じて求められる程度の注意義務」で理解すればよく、一般的な「注意」よりも、もう少し気を使って注意しなさいという程の意味である。
さて話を戻すが、賃借人は賃料を支払うことによりその部屋に居住するのだが、占有権と同時に共用部の使用について善管注意義務が求められる。
この目的に反した行動を行った場合、その程度により「善管注意義務違反」に該当するのだが、相談が寄せられたケースでは火災報知器が反応したものの延焼することなく直ちに消し止められている。
クロスを一部焦がしたのは事実であるが、それにたいしての原状回復は火災保険で拠出されることになり、すでに手配済みとのこと。
では、このケースで一方的な契約解除が有効とされるかであるが、この程度で契約解除を求めること自体、違法性が高いと考えられる。
違約等により賃貸借契約の解除が有効とされるためには「信頼関係崩壊の法理」が適用される。
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