「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず」と遺訓を残したのは徳川家康だが、時にこの警句を思い出す。
私は文章を綴ることも仕事の一部だ。
依頼があり、かつ報酬を提示され執筆を行っているのだから対外的に「執筆業」を名乗れる。文才はないけれど、日々文章を紡いでいるという自覚もある。
であるが書けない時もある。
結局のところ、文章を綴るとは己との闘いだ。同時に日々修業が必要な修練でもある。
徐々に明るさを増す陽光を感じ、思うように文字が重ならぬモニタを睨みつけ時が過ぎる。多くの締め切りを抱えているのだから、呆然としている暇はなく焦りもあるが書けぬ時はどうしようもない。インスピレーションが湧きだすまで耐え続ける。
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