一説では一日に200点もの本が出版されているらしい。
気軽なペーパーブックや雜誌などならいざしらず、難書などはとても1日で読み切れるものではない。数日、ときに何ヶ月もかけて読むことになる。
であるが、そんな個人のペースには頓着せず日々本は出版されているのだから、どれだけ読んでも追いつくはずがない。
本来であれば一度目を通したものは、再度、読み直す時間や労力は無題であるのかも知れない。
だが、時に読み返したくなる本がある。
私の場合、タイトルとした『駆け込み訴え』もその一つである。
イエス・キリストを銀貨30枚で売ったユダの激白を、ひとり語りのスタイルで書いた太宰治の短編小説だ。
私は太宰作品のトップを『斜陽』だと思いこんでいるが、実際には『人間失格』のほうが人気も高いらしい。
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