12月12日に最高裁第1小法廷でくだされた判決を報道各社が大体的に報じていたので紹介したい。
家賃回収リスクなどを軽減するために最近の賃貸借契約では主流となっている家賃保証会社の約款に記載されている「借り主が2カ月滞納するなどして連絡も取れない場合、物件を明け渡したとみなす」との条項が消費者契約法第10条による「消費者の利益を一方的に害する条項」に該当するとして無効だと判断したのだ。
報道各社はこの条項を「悪質条項制限」として最高裁の判断を画期的であると報じているが、公正な立場で物事を判断する不動産エージェントからすれば「悪質はないだろう……」と思ってしまう。
性善説で考えれば家賃を滞納する方には様々な事情もあるだろうから、そのような事情を斟酌せず一方的に「明け渡したとみなす」とする、いわゆるみなし条項はよろしくないと思うが、貸している賃貸オーナーや、家賃を保証する保証会社としては入金がなければ事業が成り立たなくなるのであるから「家賃を払わないほうが悪い」と考えるだろう。
国土交通省が推奨する賃貸契約書の条項では、賃貸契約解除の要件として「契約当事者の信頼関係に重大な影響を及ぼす行為」がまず上げられ、家賃の未払いは当然に信頼関係の崩壊に該当する行為ではあるのだが、解除には相当の期間を定めて催告をし、その期間内に履行がなされない場合には契約を解除することができるとしている。
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