お役立ち情報・ネタ 2020.07.28 UpDate

TUESDAY, JULY 28, 2020

パッシブ理論で既築住宅に快適環境を_3_空気と日射を制する

Re/Maxエージェント 奥林です


今回は「パッシブ理論で既築住宅に快適環境を_空気と日射を制する」です


テーマとして自分で選んでしまってから後悔したのですが、この手の話はともかく長くなります。しかも専門用語を完全に外しきることが出来ずにどの様に表現をしてよいのやら悩みながら更新のタイミングがつかみきれずにいました


そんなこんなではありますが,冒頭は先日のRE/MAX KYOUEIミーティングから進めていきます


私の所属するRE/MAX KYOUEIに限らずに各RE/MAX_Officeでは定期不定期で様々なミーティングを開催しています


グループ全体で共有する勉強会のMTGもあれば、オフィスごと意見交換会等をかねたMTGなど内容は様々あります。私たちエージェントは各オフィスに所属している個人事業主ですが、意見活発なMTGを行うと私の様に不動産業界経験しか持たない人間からすると「なるほどその様な考え方もあったのか」と言う“気づき”を得ることがあります


これはMTGに限る事ではありません。普段の会話からヒントを得たり、何気なく読み始めた本から記憶に残るフレーズを学んだり


常に学ぼうと言う意識があれば、どんな事からも成長の種子を掴み取ることが出来る。ブログにしてもそうですが、もともと体育会系の私は小学校の作文は毎回適当であったことは言うまでも無く、特に国語が得意科目であった訳でもありませんので、けして上手い文章ではないのは自覚しております。今のところ継続して書く事だけは何とか出来ているようです。日々の学びを拙い文章にして今回も進めたいと思います



さて相も変わらずの冒頭の長さから始まった予定3部作の三回目、はたしてここで終われるか・・・


今回は継続して小難しい専門用語や読んでも面白くない情報を満載しておりますが、何を言おうとしているかと言いますと最終的には”お金“と“健康”です


快適な状態を維持しながらの冷暖房費節約は個人レベルにおいては=支払う”お金“安くなり、体に極端な負荷を与えないことから健康に寄与できると言う事です


節約にはある程度の我慢が必要となりますが、それも程度問題です。出来る限り最小限の我慢で住宅の快適環境を実現してしまおうとのが今回ブログ3部作の趣旨なのです


冷暖房に関し日常で使用するエネルギーと言われれば、まず思い浮かぶのが電気でしょう(無論、暖房に関して言えば灯油やガスも外せませんが)照明を灯し、冷蔵庫を稼働しテレビを見る_日常の生活に電気は欠かせません。 例えば実生活において、照明をこまめに切る、見ていないTVはスイッチを切ると言った節電は皆様の心がけ次第でコントロールできます


しかし住宅の温熱環境における快適性について、無理な節約は健康に直結する部分にもなりますので注意が必要です


夏バテによる食欲不振も大きな問題ではありますが、私の活動する北海道の気候において夏はそれほど問題となりません。湿度の低い北海道では日射調整で日中を乗り切り、適切に通風を確保すれば快適性を得られるからです。


そこで冬の暖房エネルギー削減が主テーマとなります。冬季において1枚厚着をして暖房エネルギーを削減するのは、快適性を逸脱しない節約の範囲となります。ただしではありますが努力では如何ともし難い寒暖差を放置して生活するのは、場合によってはヒートショック等、生命に関わる原因になります


特に私の住む北海道では、ヒートショックにより年間多くの方がお亡くなりになっています


JR東京総合病院循環器内科部長 高橋先生は日本医師会を通じて以下の様な注意喚起をされています


「入浴中に亡くなるのは全国で年間約1万4000人と推測されていますが、原因の多くはヒートショックである可能性があります。浴室とトイレは家の北側にあることが多く、冬場の入浴では、暖かい居間から寒い風呂場へ移動するため、熱を奪われまいとして血管が縮み、血圧が上がります。

お湯につかると血管が広がって急に血圧が下がり、血圧が何回も変動することになります。寒いトイレでも似たようなことが起こりえます。血圧の変動は心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中につながりかねません。

ヒートショックの予防のため、脱衣所やトイレを暖めましょう。入浴は40度未満のぬるめのお湯に入り、長湯を避けましょう。冷え込む深夜ではなく、早めの時間に入浴するように心がけ、心臓病や高血圧の人には半身浴をおすすめします。肩が寒いときは、お湯で温めたタオルをかけてください」


ヒートショックは65歳以上の高齢者や高血圧症・糖尿病等の成人病など動脈硬化の基盤がある人、肥満や不整脈傾向にある人に特に多いと言われています。つまりは加齢によりどなたにも起こりうると言う事です


持病の治療や体質改善、生活習慣の予防と合わせて、過度に心臓に負担を与えない住宅環境の改善と言うのが効果的です


端的に言えば室内温度を一定に保つ事


暖房に関して言えば、高温熱源からの放熱による暖房システムを採暖(FFストーブ等)と呼び、室内を一定に温度に保つ対流による暖房システムを全館暖房と呼びます


この部分は後程、大切な部分にも紐づけされますので詳しくご説明しましょう


写真データは東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授 前 真之先生ブログより


写真の様な暖房システムの場合には遠赤外線により熱を放射します


低温であれば見に見えない、高温であれば光を伴いながら熱を届ける光線と言うイメージでしょうか。この光線は電磁波によるものですが、電磁波は基本的に一方方向に進みます。鏡などで反射させる事は可能ですが効率が悪いので、あくまで直線放射と理解してください。つまり一方方向で放熱を行うのですが住宅性能が低い場合には寒いのでストーブの前に集まりがちになります。この時に一方方向に進んだ電磁波は外に逃げ、代わりに冷気を呼び込みプラスマイナスのバランスを取ると言われています。室内全体の温度が低いのに、熱源機の前だけは暖かく、必然的にその前に人が集まる。


つまり直接に熱源に相対している表面は温まりますが、冷気が侵入し背中を冷やす。人間は適度に放熱出来る事が健康に良い状態ではありますが、表面温度と背中側温度が極端に違う場合における放熱が身体的ストレスになることは言うまでもありません。


室内全体の温度が低いので必然的に熱源機はフル稼働し、エネルギーを大量消費する(つまりお金が出ていく)そして極端な熱移動で体にストレスを掛ける


改善策としては、前回ブログでも記載した通りではありますが断熱改修工事となります


次に採暖方式では無い、熱源機の検討になります(この場合、順序を逆にしては意味がありません_断熱性能が低いにも関わらず放射熱源を採用しても根本部分の改善がされていないのでは意味が無いからです)


現在においても広く寒冷地で普及しているのがラジエター等の放射暖房です


この放射暖房も表面からは遠赤外線を放射しますが、壁面の対流により穏やかに周りの空気を暖めますので対流計画が上手く働けば(無論住宅基本性能が高いのが前提ですが)採暖よりも健康に良いのは言うまでもありません。しかしここでも気を付けなければならないのは、自然対流で室内丸ごと全館暖房と定義するには空気は怠け者です


放射暖房の自然対流による全館暖房が出来れば理想的ですが、そう上手く自然対流は制御出来ません(私の実家は採暖熱をダクトで居室に自然対流で送り込むと言うシステムで、温熱計画においては完全な失敗作と言われる某大手ハウスメーカーの家です_ちなみに2階に暖気はほぼ上がってきません)実際には対流はほとんど行われないのです


強制的に対流させてやらなければ熱はどんどん上に逃げてしまいます。特に吹き抜け等はシーリングファン(天井でクルクル回っているファンです)等で強制的に対流を生み出さなければ、2階にばかり熱移動し、皆が集まるリビングが寒いと言う本末転倒の様な現象が起きやすくなります


余談ではありますが、1種換気(吸気排気を機械で行う換気システム)システムの計画換気により対流出来ると勘違いしている大手のハウスメーカー営業マンをよく見かけますが、はっきり言って出来ません


写真データは東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教 前 真之先生ブログより


適当に配置した吸排気口により適切な対流が生まれる事が無いからです


計画換気システムは対流を生むのでは無く、換気を行うためのシステムなので吸排気の設置位置を綿密に計算し対流計画を行い設置した場合のみ有効になります_私の知る限りではありますが、そこまでの対流シミュレーションが出来るのは大学の研究室か、民間のシステム会社数社ですが、間取りの配置時点から吸排気位置を計算しなければならない事から新築住宅にしか適応出来ないからです(あるいは全解体レベルのリノベーション_それについても間取りの制約が必要となります)


結果的には電動ファン等による強制的対流を生み出す暖房機(エアコン等)にはかなわないようです


以上の事から、個人的には断熱改修工事後に熱源機の交換を検討する場合にはエアコンを推奨しています


写真データは東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授 前 真之先生ブログより


夏だけのイメージの強いエアコンですが、暖房機としてもこの強制対流を生み出す事を考えれば非常に優秀です。エアコンの電気代は高いと言うイメージがありますが、最近のエアコンはヒートポンプシステムによりCOP(エネルギー消費効率は成績係数とも呼ばれ、COPとはCoefficient Of Performanceつまり成績係数の頭文字をとったものです。特に冷暖房器具の省エネ性能を表す際によく使われています。電力1kWを使ってどれだけの効果を得られるかという指標で現在一般にも普及しており機器やカタログに記載されている場合もあります)が優れており、冷暖房効率が非常に高く、最もエネルギー消費率効果の高い機械となっています


ただしヒートポンプは決して魔法ではありません。効率よく使うためには、「必要最低限度の低温」で用を足すことが不可欠です。このため、暖房方式も低温で快適な温熱環境をつくれるように設計することが肝心です。エアコンは空気を直接加熱する対流式であり、風量を調整することで必要温度を低く抑えられるので、低温暖房にはもっとも適しています。またヒートポンプ温水器に温水パネルなどの放射式を組み合わせる場合も、石油ボイラーのような高温温水を前提に設計してはヒートポンプ・マジックがうまく働きません。ここに温熱計画を理解しているかどうかの設計士スキルが試される訳です


低温の温水ですむよう、放射パネルを多めに分散配置するなど、工夫が必要です。どんなにCOPが低いとはいえ、フル稼働させれば当然、電気代は跳ね上がります。必要最低限の低温で効率よくとは熱ロスの少ない断熱改修後(もしくははなから断熱性能の高い住宅)の住宅で最小限の暖冷房負荷で運転を行う事と言い換える事が出来るでしょう


さてここまで書き進めたブログではありますが、どう考えてもこれから日射_通風にまで話を進めると、とんでもなく長くなる事が予測出来ます


予定3部作を変更し、次回を最終回とする事にいたしました


Re/Maxエージェントとして賃貸_売買_投資事案の他、不動産紛争コンサルや断熱改修相談も対応させて戴いております


どんな事でもお気軽にお問い合わせくださいませ


続きは下記より


「パッシブ理論で既築住宅に快適環境を_風と日光を利用する」最終回



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