お客様の声 2020.08.22 UpDate

SATURDAY, AUGUST 22, 2020

マンションの寿命ってどのくらい?

RE/MAXエージェント 奥林です


私の活動する北海道はお盆を過ぎると、一気に気温が下がり始めて木々の緑が少しずつ色を変え、美しい紅葉の季節を迎えます。コラムや雑誌掲載の記事作成の締め切りを控えて、完徹状態での朝(いったい昨夜から何字打ち続けているのだろうか?_ちなみに今回のブログは1800字程度です)さわやかな小鳥の囀りを聞きながらブログをスタートします



さて本題です


先日、中古マンション購入を検討しているクライエントから


「木造は20年~30年が寿命だと聞くけど、マンションの寿命ってどれくらいなの?」


と言うご質問がありました。


壁の厚みや工法、外装材や配管類の施工など、色々な考え方があるのですが、せっかくだからこの場でご説明しましょう



【マンション寿命ってどれくらい?_公の考え方】


不動産に関する管轄省は、皆様もご存じのとおりですが国交省です


国交省のホームページでは、さまざまな資料を展開しておりますので時間あればご覧になって下さい。オープンデータやトピックスな、興味があれば面白いし、なければまったく面白くないと言う情報が満載されています


https://www.mlit.go.jp/


さて国交省で展開している情報を読み進めていくと


マンション寿命は「37年」に落ち着きます


「え、そんなに短いの?」と、ご心配されることはありません


これは「ストック(既築マンション)をフロー(新築数)」で割り返したサイクル年数と呼ばれる計算上の寿命で、実態を伴わない数字だからです



【マンション寿命ってどれくらい?_研究機関の考え方】


マンション寿命の検証や、研究についてはさまざまな機関で行われています


サイクル年数という実態を伴わない数字ではなく、実際の耐用年数としてテストデータを集積して研究がされています


コンクリートスラブ厚や外壁の仕様など、また配管などのメンテナンスの簡易性により本来であれば個々のマンションごとに判定されなければならないのですが(そのあたりは建物現況調査_インスペクション)に譲るとして現在の様に長期修繕計画や、あまり知識のない自主管理組合による場当たり的な修繕計画であった古い時代のマンション寿命においての研究でも「100年~150年」が寿命とされています


実際には年々進歩する工法や適切な長期修繕計画などにより、更に伸びると考えて差し支えないと思います


 


【マンション寿命ってどれくらい?_改修による延命】


マンションは区分所有法により区画ごと持ち主が存在する形態です。個人が勝手に外装メンテを出来るわけではありません。例えばいままでは長期修繕計画がずさんだったけれど、延命するために何かをしたい、と、言うような場合にはコア抜き試験を実施して、コンクリートの既存劣化状況を確認してから、適切な処置を施すことにより工事実施後の躯体寿命ひきのばすことが出来ます


その時点における躯体の状態や実施する工事内容により延命年数は異なります


劣化部分については適切な交換や補修、全体的な外装に関しては外断熱工事の実施や外壁タイルの全面交換、ポリマーセメントモルタルの塗布などにより工事終了後を起算点として50年~70年程度は延命できると言われています



【終わりに】


1.工法や、スラブ厚等は建築図面の閲覧で確認することが可能ですし(もちろん、ご自分で見ても分からない場合には、エージェントに相談)


2.現状状況(さすがにコア抜き試験は出来ません_管理組合の決議事項になりますので)をインスペクターによるインスペクションで報告書を入手し検討する


3.「マンションは管理を買え」との格言がある程に大切な、管理組合によるメンテナンス状況や長期修繕計画実施状況の確認など


これらを総合的に判断されれば


「築50年の分譲マンションなんてもう寿命だから、資産価値もゼロで購入の検討にすら値しない」などと言う、根拠なき考えに惑わされるのではなく、正しい選択肢から選べるのではないかと思います


不動産は財産としての資産価値も、もちろん大切です。


ですが住処として考えれば財産価値だけでは無く、利便性や近隣環境に購入価格など、ご家族とっての幸福を一番に検討する必要があると思います


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