RE/MAX エージェント奥林です
今回はリノベーションについて蘊蓄を少々…
巷で不動産広告を見るとリノベーションと言うキャッチコピーが溢れています
そこでリノベーションの定義をいつものごとくWikipediaで検索すると
「既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えることである」と出てきます
はい、ここで重要なのが【性能を向上させたり付加価値を与える】の部分です
それでは巷に溢れている広告を見てみましょう
「クロス張替え_キッチン交換のリノベーション住宅」
はい違います、それはリフォームです
「フロア張替え、浴室交換済み中古リノベーションマンション」
はい違います、それはリフォームです
「外壁、塗装済みリノベーション住宅」
微妙だけど、リフォームです(外壁の塗布は雨水等の浸透防止に効果があるので外壁寿命の増加に効果があります。広義の意味でリノベの範疇に分類も出来ますが、用途変更と性能向上と意味合いが違うので私の解釈ではNGです
「クロス張替やフロア張替で付加価値が上がっているだろう。リノベーションと記載して何が悪い‼」と、お叱りのご意見を頂戴すれば
「さようでございますか。お好きにすれば宜しい」と頭を下げ、心の中で舌を出します
定義解釈は言語専門の方にまかせれば宜しい
私の考えるリノベーションは“見てくれ”では無い
なんせ不動産業界でもリノベーションは言葉が先行していて、その概念や解釈のしかたも諸説あり。ですので、ここではあくまで私見として解説しています)
業界団体の会合でよくある「デザインの為のデザインは、ありきか?」と言う命題
断熱性能は低いけど、見た目はすこぶるお洒落な家
建築基準法等を遵守し建築された建物は、当然“違法“ではありません
デザイン重視で見た目はお洒落、寒冷地北海道においてUa値が本州基準の最低値をギリギリクリアしてC値(相当隙間面積)もスカスカ
室内の熱ロスが大きいのですが、そこに見た目も素敵な薪ストーブをデンと設置して
熱量300MJ/日_一日に薪がざっと15kgぐらいなか?
で、住宅の隙間から熱を垂れ流し窓に結露を大量に発生させながら暖かく快適に住むのはOKです
否定しません
人、それぞれですから
(Ua値やC値_MJの解説はまた後日)
「でもそれで良いの?」と、思ってしまう訳ですね私は
見た目は大切です
薄汚れた壁紙、変退色した浴室で快適な気分を得ようとしても難しい
だから私も、クライエントがリフォームをご要望なら喜んでご相談に応じます
ただし…
リノベーション住宅と銘打った、単なるリフォーム住宅の購入検討をクライアントから相談された場合、話は別です
私はクライアントに上記の様な物件をご紹介する時には、はっきりと
「一部リフォーム済みの物件ですよ」と説明します
「断熱性能は施工図面からUa値○○程度、C値は新築時に測定していないようなので分かりません。北海道のこの地域で快適に住もうと思えば、まずは開口部(サッシと玄関)の断熱強化。次いで断熱材のやり直しを検討される方が良いかもしれません」と、ご提案します
北海道の厳冬期、垂れ流しの光熱費を使用しても寒い家は1年で住宅購入の喜びも失われます
漏れ出す熱量以上に暖房を動かせば室温だけは上がりますが、光熱費が跳ね上がって喜ぶ世帯は、そうは多くないでしょう
室温は上がるけど、脆弱な窓からコールドドラフトが起きて足元ヒンヤリ
脆弱な壁の断熱性能が躰と熱交換してしまい「室温は27度もあるのに、壁際に寄ると妙に寒い」なんて事になります
北の国からの世界、田舎ぐらしに憧れて
「都会の住宅を売って移住したいと考えています。相談に乗って下さい」
商売だけなら「さようでございますか。それでは○○町にお手頃な物件が」と手もみしながら言うところですが
マイナス20℃の世界、豪雪地帯を甘く見てはいけません
私ならこう言います
「まずは冬の一定期間、賃貸で済んでみては如何ですか? 吹雪で前が見えない状態での運転や連日の除雪。家の中でも温まらない閉鎖的な暮らし。それを経験されてからでもやって行けるとご決断されるなら喜んでお探し致します」
売上重視の不動産会社に勤務していたら、クライアントが不安になるような事を言えば上席からドヤされるでしょうが、私たちは独立自営のエージェントです
自分の信念に基づいてクライアントに物件紹介や工事提案を行うことが出来るからです
どうかお気軽にご相談、下さいませ