RE/MAXエージェント 奥林です
さて今回のお役立ち情報は【中古マンション購入時にチエックすべきPOINT】です
一戸建ての場合と違いその建物の形態から独自の取り決め事項があります
戸建ての場合は土地_建物全て自分の持ち物と言う事になりますが
分譲マンションは「区分所有法」(正式には建物の区分所有等に関する法律)により、1棟建物のうち構造上区分される部分を所有権の目的とします
新築時のパンフレットや広告は通常壁芯(壁の中心からを専有部分として床面積として計算する)ですが、中古の場合には壁芯では無く内法(実際の室内側からの水平投影面積)で表現される事もあります
当選壁芯の方が内法よりも専有部分が大きくなりますが、区分所有法では「床の水平投影面積を専有部分」とすると書かれているだけに留まるのでどちらも間違いではありません
ですので購入時にはパンフレット面積(壁芯計算)なのか内法なのかは確認しておきたい所です
実際に生活を行う室内側表記としての「内法」で考えた方が理にかなっているとは思いますが
話は戻りますが、分譲マンションはその対象の専有部分(区分所有された部分)と共有部分(敷地や共有部分は専有面積に応じて案分される)に分かれて所有権が設定される訳ですね
ですから分譲マンションで可愛い玄関を見つけたから交換しようとしたり、断熱性能が低い昔の古いアルミサッシがついているので自宅のものだけ交換したりはNGとなります(ちなみにですが、断熱性能の低いマンションの断熱改修工事をやる際には、壁から内側に向かって施工する事となります)
あくまで、室内側の権利と皆で共有している部分の按分した持ち分を所有していると覚えて下さい
以上の基本を理解して内覧を実施しますが「室内がリフォーム済みでとても綺麗、眺望も良いしここに決めましょうよ」
と、単純に考えてはいけません
もちろんその部屋に住むわけですから、その部屋の状態や間取りはとても大切です
余談ですが不動産の初心者営業のトレーニング立ち会っていると、内覧案内中に
「こちらが浴室になります、どうですとても素敵でしょう」とか「使いやすいキッチンですよね、色もきれいだし」などと、誰でも見れば分かることを一生懸命にまくしたてる訳です。何を説明して良いのか分からず、かつ沈黙に耐えられず喋ってクライエントをウンザリとさせるんですね(初心者営業ばかりか、それなりに経験を積んでいてもこの様なタイプの営業マンはおりますが)
まがりなりにもプロを自称するのであれば、気持ちが高揚してすぐにでも決断してしまいそうになっているクライエントに「ちょっとお待ちください。室内だけでは無く、まずは分譲マンションならではの特徴も含めて、一緒にチエックしましょう」ぐらいの事は言いたいものです
まず中古マンションを見学する際には、いきなり室内には入らず、外壁やエントランス等の共用部や付属施設等の有無(プールやテニスコート_中には温泉付きなんてのもありますが)を確認しましょう。
まず外壁についてですが、傾向として分譲マンションの外壁はタイル張りが多い。これは高級感と劣化対策という理由によるものです
グルっと見回してタイルの剥離(はがれです)や浮きがないかを確認しましょう
前記の主な原因は「経年劣化」や「地震の影響」などさまざまあり、見ただけで特定するのは困難ですが必ずチエックしておきたい項目です
そもそもクンクリート下地の酸化防止の為にタイルが施工されているのですから、剥がれた状態で放置する事はコンクリートの躯体(くたい)寿命そのものを縮める事になります
もしところどころ剥がれている箇所が目立つ場合には、長期修繕計画で外壁の補修がどの時期に組まれているか、また修繕積立金は工事に見合うだけ積み立てされているかも確認しましょう(入居して直ぐに大規模修繕が行われ、積立金が不足しており一時金を納めなければならなくなれば悲惨です)
廊下や階段や集合ポスト、ゴミ置き場や駐車場・駐輪場など共用部の状態も確認したいものです。適切に清掃がされているか等の美装管理の状態やクラック(ひび割れ)の有無を確認します
掲示板に貼ったものが破れているなどの場合にも管理組合や区分所有者のモラル等、見えてくる情報がたくさんあります
さきほど「長期修繕計画」のお話をしましたが、出来れば管理事務所で事前に確認したいものです。新築時に売主が策定した長期修繕計画は、だいたいこんな物だろうと言うマニュアル通りに作られており実際に即しているは必ずしも言えません
一般的には新築当初から当面の間は修繕積立金を低額に設定、5年目・10年目・15年目などに一気に数倍になったり、多額の一時金を徴収する計画となっていたりする事が多いのが事実です
ローンや光熱費のほかに必ずかかる費用です。きちんと確認する事をお勧めします。
室内(専有部)については、キッチンやユニットバス・洗面化粧台などの水まわりに水漏れがないか、換気扇が正常に稼働するか、建具に傾きがないか、正常に稼働するかなど、くまなくチェックしたいもの
現実には多くのケースで売主さんが居住中であることから、どうしても遠慮がちになりきちんとチェックするのをためらってしまうケースが多いので、ホームインスペクター(住宅診断士)に依頼して、室内を一通りチェックしてもらうのもおすすめです
ホームインスペクションは50~100項目に及ぶ調査をホームインスペクターが行い、その結果を報告してくれる制度ですので目安の一つになります
ただしあくまで現況調査報告書ですので建物性能等の優劣判定や保証をしてくれる訳ではありません
現況報告書を見てご心配な方には「中古マンション瑕疵(かし)保険」もあります(インスペクションの実施が必須)、またキッチンや浴室等、設備機器の保障に特化した設備機器補償保険などもごぞいますので、購入時には検討しておきたい所です