RE/MAXエージェント 奥林です
前回Blogの告知通り、前回に引き続き団信の特約等について解説を致しましょう
まずは団信の種別についてですが、大まかに分けると以下の通り
機構団体信用生命保険(機構団信)
機構団体信用生命保険は住宅金融支援機構が住宅ローン「フラット35」加入者に対して提供している保険です。機構団体信用生命保険では、保障は最長で満80歳の誕生日が属する月の末日まで続きます。全国300以上の金融機関と連携しています。なお、機構団体信用生命保険への加入は任意となっており、ローンとは別に保険料の支払いが必要ですので、月々の支払額も含めての総額を勘案する必要があります
信用保証協会団体信用生命保険(保証協会団信)
信用保証協会団体信用生命保険は、一般社団法人全国信用保証協会連合会が提供している保険です。信用保証協会団体信用生命保険では、機構団信と同様に、団体信用生命保険への加入は任意となっており、ローンの金利とは別に保険料を、年齢にかかわらず一律に、年払い(掛け捨て)で負担するものとなっています。
中央労働銀行団体信用生命保険(ろうきん団信)
労金団信は中央労働銀行が提供している保険です。中央労働銀行は労働組合や生協などの出資によって創設された協同組織の金融機関です。労金団信は中央労働銀行の住宅ローンに付保されており、任意加入の機構団信や保証協会団信とは異なり強制加入となります。そのため、保険料はローン返済の金利の中に含まれており、金利に保険料の相当額が上乗せされることはありません。
一般金融機関の団体信用生命保険
代表的な三つのほかにも、住宅をローン付きで購入する消費者に対して、さまざまな金融機関がローンの融資と合わせて団体信用生命保険を提供しています。どちらかと言えば住宅ローンは一般金融機関融資のシェア率が高いため多くの方がここに含まれるかと思います
以上までが主な団信の種類ですが、先日にもご説明したように団信は複数の会社がリスクを按分して保険を受け付けることにより保険の手厚い内容と比較して保険料が割安になっています。ですから融資申し込み先以外の団信を選択することは当然、出来ません
それ以外に注目すべきはそれぞれの団信の完済時年齢です。住宅ローン貸付期間が最長35年であっても、団信の加入残機関_例えば50歳で融資を申し込んで、その金融機関の団信が完済時年齢70歳の誕生日が属する月、とされた場合には融資申し込み年数は19年が上限とされます(申し込み月の関係により1歳目減りする)期間が短縮される事により当然、月々の返済額が上がりますので注意しましょう(機構団信と保証協会団信は任意加入のため、融資自体の完済時年齢が申し込み年齢の上限となります)
それでは次に補償内容を見てみましょう
死亡時・高度障害保障
被保険者が死亡または団体信用生命保険を提供している会社または機構・団体が定める高度障害になり住宅ローンの返済が困難になった場合に、残りの住宅ローンを全額弁済する制度です。昔からある一般的な保険内容ではありますが保険内容が死亡もしくは重度障害に限定されることから、やはり不安な部分があるのは否めません
三大疾病保障
三大疾病保証は死亡・所定の高度障害状態のほか、 がん・急性心筋梗塞・脳卒中の3大疾病が原因で被保険者による住宅ローンの返済が困難になった場合に、残りの住宅ローンを全額弁済する制度です。注意して戴きたいのは、この三大に該当する傷病によりすぐにローン残高が0になるイメージを持たれている人が多い事です。実際にはそう単純なものではありません。それぞれの病気ごとに、どのような状態のときに住宅ローンが弁済されるか、細かく条件が決まっていますので保険約款の確認をする事が必須です。例えば先ほどご説明した機構団信の三大疾病の場合には以下の様に定められています
ここで注目して戴きたいポイントは所定の状態が「60日以上継続した場合」と言う点です。この所定状態の継続日数は各団信により見解が違いますので必ず確認をしておきたいところです。つまり診断から継続して60日以上所定状態にあると言う事は、通常で考えても労働が出来ない状態と考えられます
そうなりますと当然、有休を一日も使用せず過去2年間遡り使用しても最大40日。それ以降は無収入となります。
それ以外にも所定状態であれば入院を余儀なくされているでしょうから、医療費もかかります。3大に入っているから「住宅ローンの支払いは問題ない」などと安易な考えを持たないように注意しましょう
七大疾病保障
団体信用生命保険において補償の対象とされる疾病数をさらに拡大したのが七大疾病保証です。がん・急性心筋梗塞・脳卒中に糖尿病、高血圧疾患、肝疾患、腎疾患を加えたものを七大疾病と言います。七大疾病保証は、死亡・所定の高度障害状態のほか、七大疾病が原因で住宅ローンの返済が困難になった場合に残りの住宅ローンを全額弁済する制度です。
このほかにも、にさらに慢性膵炎を加えた八大疾病を対象とするものもあります。
更に手厚い補償の保険
オプションの保険として特約保険金の保障を用意している会社もあり、具体的には、余命6カ月以内と診断されたときに支払われるリビングニーズ特約保険金、がんと診断確定され、すべての治療を受けたが効果がなかったなどと判断されたときに支払われる重度がん保険金前払特約、先進医療による療養を受けたときに支払われる先進医療給付金などがあります。
団体信用生命保険ではさまざまな保険と同様に、保障内容が増えるにつれて月々のローンの返済と共に支払う保険金の金額は増える内容となります。実際には月々のローン返済の中に組み込まれているので、一見保険料を支払っていないような錯覚を受けがちですが、その補償内容と月々のバランス、本当に必要な補償内容をじっくりと吟味して選ぶ必要があります
特に「特約保険金の保障」を付保している団信は、一般金融機関が他行との差別化を図るためにウリにしている事が多くいので、借入先を選択する際には金利と合わせて検討したいところです。
非常に残念な話にはなりますが、私たち不動産業界の人間でも団信の内容に精通している者はそれ程多いとはいえません。無論、クライアントにご提案する者の不勉強が一番に責められるべきではありますが、それ以上に多岐に渡った補償内容があるのが事実です
少なくても今回のBlog内容を、きちんと理解して説明出来る営業マンから提案を受けるべきだと思います