エージェント活動 2020.06.22 UpDate

MONDAY, JUNE 22, 2020

日本人の新築信奉

ReMaxエージェント_奥林です


私たちエージェントは、オフィスに属してはいますがそれぞれが各自のスキルや人脈を活用し一定のルールの基に事業を行う独立採算型の営業スタイルです


従って、どこかのメーカーの特定商品だけを推奨するとか新築の建築依頼に対してどこか特定の会社に紐づきしてご紹介するとか言う事はありません


クライエントに取ってなにが最適解かを検討し、ご提案を行います


 


私がメインの活動拠点としている北海道において札幌市中央区とニセコ周辺は地価が跳ね上がる傾向が以前から続いており、それに伴って土地不足が生じています


不動産のトータルコンサルを行っている関係上、土地探しの依頼と並行して建築会社の紹介依頼を受ける場合も多いのですが


個人住宅の建築を検討される場合に比較的に予算が潤沢にあるケースで土地探しの依頼を人気地区で承った場合、見つけるのが非常に困難な事があります


そんな場合に中古市場を検索してリノベーションとの複合提案を進めるのですが、これもなかなかにハードルが高い


「私は中古住宅を探しているのでは無く、自分の思い通りにデザインした新築住宅が欲しいんです‼」と言う論理ですね


はいさようでございますか_と、対応するのはどこかの会社に帰属して自社製品を売り込む営業のスタイルです


私たちは自分の信条に基づいてクライエントに提案を行う訳ですから


「さようでございますか、それでは維持費も含めた現在のご予算からのトータルライフバランスを検討してみましょう」と言う訳ですね


 


中古市場のリノベーションに対する評価が低いのは我々不動産業界の人間が的確な提案が出来ないのが最大の要因ではありますが、それ以外にも知識不足と中古住宅に対する日本人のイメージが原因なのだろうと思います


日本人はとにかく新築信奉者が多く、アメリカと比較しても1/20水準と言われています


予算が潤沢と言ってもクライエントそれぞれに限度があるわけですし


無理して土地を高値購入すると、そのしわ寄せは当然の様に建築費の減少になります


私もそれなり建築を学んでおりますので建築のいわゆる見てくれは、どのようにでも作る事が出来ると断言出来ます


性能を度外視して、寒冷地において大開口の窓を設けるなんてデザインは少なからず温熱環境学を学んだ人間としては邪道です


確かに街並みを見下ろす大開口の窓はある種ステータス的な感じがあります


大開口の窓を設ける場合にも、全体の断熱バランスと対流の計画を読み込みデザインに反映すれば大丈夫ではありますが


建築コストを下げた場合に、そのトータルバランスを補えずに、ただクライエントの要望だからと大開口の窓を設置する事になりす_私は基本的に前記の様な工事はお受けしませんが


例えば窓に関して言えば、日本で販売される最高級の樹脂サッシでも断熱性能は壁の1/3がせいぜい


サーモで見れば分かりますが、壁がオレンジや黄色になるのに対して、窓部分は青が強くなります(つまり温度が低い)


結果的にその様な建物の場合においてライフサイクルコスト分析をかけなければ正確に言えませんが、光熱費・設備更新費用・維持管理費が跳ね上がります


典型的なのはデザイン重視のローコスト住宅で、50年コストで考えた場合には明らかに高くつきますし、更に結露やコールドドラフト等の発生により居住性で劣ります


つまりはトータルで高い金額を出したのにも関わらず、住み始めてからのコストが高くつき居住性が悪く不満だらけの生活になる訳です



空き家問題については各種メディアで報じていますので、改めての記載は行いません


人口推移と既存住宅の放物線を見ると、間違いなく訪れるのが「家あまりの時代」です


業界の人間は、皆それに気が付いている筈です


ですが相変わらずマイホームセンターでは大々的なイベントをやり、新築住宅の営業は自社の優位性を声だかに語る


トータル金額を下げて値ごろ感を出すために、建築費を極限まで抑えた建売住宅が建築され続けている


おかしな構図です


ですが業者も仕事ですから致し方がないとは思います



国交省の思惑に反して日本でリノベーションが活性化せず、言葉ばかりが先行して行く背景にはリノベーションの難しさがあります


最大の問題点は作り手がいないと言う事_最終的には業界人の不勉強に帰属します


本来のリノベーションは新築以上の技術が要求され、現場においても即時対応が要求される為、温熱環境に対する理論値や相応の技術力を持つ職方が対応しなければないのです


単なるリフォーム工事と比較すると坪単価で言えば間違いなく高くつきます_しかも目で見えない部分に


そのレベルの職方を使い、部材においても高性能商品を使用し、かつ工事中においても計画変更を行うことがあるのですから


ですが、全部が全部を直すわけではないので結果的に工事費が高く見えても、新築するよりも安く_リフォームよりも高く_快適性と住み心地は格段にアップすると言う事になります


クライエントの要望に対して常に最善の提案を_私たちエージェントはその活動を通じて社会に貢献しています


どうぞお気軽にご相談下さいませ


 


 


 


 


 


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