不動産コンサル 2021.05.07 UpDate

FRIDAY, MAY 07, 2021

金融ビックバン

「Smallビジネス専門不動産」の山田です。
今回は「上場企業の不動産売却 譲渡差益は過去20年で最大の4416億円」(Yahoo! Japan)の記事になります。

参考記事URL:https://rem.ax/32EiXiJ

この記事の内容を簡単にまとめると「大企業のリスクヘッジ」ではないでしょうか?
譲渡差益が過去20年間で最大になり、記事内では「レオパレス21」や「エイベックス」、「電通」といった大企業の動きを掲載しています。

なぜ「1位」ではないのか

今回私が着目した点は本文に掲載されていた「東証1部、2部上場企業 不動産売却企業数の推移」というグラフです。2020年は本グラフで76社の売却があったようですが、最多は99年の232社でした。ここで私は「なぜ99年が最多であり、今回は最多ではないのか」ということに疑問を持ちました。

少し考えた結果、1社が売却する金額が多かっただけにすぎず、それほど多くの企業が動いた訳ではないのではないかと推察しました。記事内容を見ても世間が知っているような「有名どころ」の取引が多く記載されていたのでこの推察は少なくとも間違ってはいないと確信すると共に、

「なぜ99年が最多なのか」

という疑問が一層深まりました。

上記の結果は以下の2つによって成立したのではないでしょうか。

1、完全失業率の急増
2、金融ビックバン

1、完全失業率の急増

これを知るのは当時を振り返らなければいけません。

98年の年平均で

失業率 4.1%(男:4.2% 女:4.0%)

でした。この結果を「構造的・摩擦的失業率」と「需要不足失業率」に分けたとき

構造的・摩擦的失業率 3.2%
需要不足失業率 0.9%

でした。これは「生産活動の減少」によるものだったのですが、その原因として下記の二つが考えられます。

A:新人求人の減少
B:入職抑制

Aついてですが、98年の平均で(前年比 -11.9%)
という結果が残っています。これはその年の後半に(前年比 -1%)まで回復しますがその影響は99年にしっかりと出ていました。

またBでは「就職者数」の平均が6514万人(前年比:-43万人)であり、特に「ブルーカラー」の職種で顕著だったようです。

現在でも「大規模なリストラ」に当たる層がこの世代の方々なので、山あり谷ありな層という印象です。

企業からすると、少しでも長く存続したいので不動産の売却行動が増えたのではないでしょうか?

他国技術の導入

次に2つ目の「金融ビックバン」についてです。

この用語は元々イギリスの証券市場改革を指していたようです。
それが日本にて独自の形になり、その構想として「Free」「Fair」「Global」というものが軸にあったそうです。これにより以下のようなことが改正されていきました。

銀行・証券・保険間の相互参入の促進
投資信託の銀行窓口販売の解禁
株式売買手数料の自由化
取引所集中義務の撤廃
持ち株会社制度の導入
連結決算制度の本格導入 等

私はこの「連結決済制度の本格導入」が232社の売却に繋がっていると直感的に感じました。
その理由を説明するにはまず「連結決算制度」について知る必要があります。

皆さんもご存知の通り、この制度は親会社だけでなく、国内・海外子会社および関連会社を含めたグループ全体の決算方法のことです。これをすることで比較的規模が大きい所謂大企業はより全体の動きをみることができるのです。

この制度の導入は企業からすると自社を見直す「節目」のような役割を果たしたのではないでしょうか?
それにより不動産の売却の動きが活発になったのではないかと思われます。

参考

https://rem.ax/3glbY6d
https://rem.ax/3dztdPk

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