2023.06.25 UpDate

SUNDAY, JUNE 25, 2023

【シリーズ連載/第1回】知って欲しい、家計の守り神となる FP の積極的・継続的活用法

◆§1◆ ファイナンシャル・プランナーとは ①

今回よりシリーズトピックとして、ファイナンシャル・プランナー(FP)の有効活用に関する記事を連載します。

昨今では様々な媒体で見聞きするようになってきた感のある FP ですが、その得意分野や活躍シーンの広さなど、日本における正確な社会的認知はまだまだと感じます。
そこでこの連載では、FP がどのような場面で消費者の悩みを解決する為の支援が出来るのか、だけでなく、FP が持つ専門性を最大限に活用する上で、相談する側があらかじめ得ておきたい知識についても丁寧に解説していきたいと思います。
第一部は、FP が果たして何者なのかということについて、数回に渡って分かりやすくなるところまで掘り下げてみることにしましょう。

さて冒頭から少々難しい言葉遣いをしましたが、安心して下さい。
ここからはゆるりといきます。

ファイナンシャル・プランナー(Financial Planner)を直訳すれば、“お金の計画を立てる人” ですね。
これだとしっくりきませんので、課せられた役割から翻訳を行えば、“お金の計画的な使い方について助言をする人” といったところです。

では “計画的なお金の使い方” って、どういうことでしょうか。
例えば春から会社で働き始めたばかりの社会人の皆さん。
一人暮らしであれば、初めて自分の得た稼ぎだけで生活していくことになるかと思います。
次の給料日が来る前に所持金が無くなってしまったら、その使い方は “計画的” では無いですね。
両親・親類に申し出て送金するなどしてもらったとしても、その際に言われるのは「もっと “計画的” に使いなさい!」辺りが相場でしょう。

そしてお給料が出たら、すぐ両親に返す分とその月に自分が暮らしていく分、今度こそ赤字にならないよう考えて使わなければなりません。
この“赤字にならないよう使い方を考える”瞬間とはつまり、“お金の使い方を計画中” ですよね。
思惑通りに所持金をいくらか残して次の給料日を迎えられたら、過去の反省を生かして “計画的” にお金を使えた、ということです。

ここまでの流れで身についた“お金の計画的な使い方”とはすなわち、1ヶ月サイクルでの計画の立て方です。
それでは次に、この新社会人が3年後、自動車を購入するために100万円貯める計画を立てるとしましょう。
単純に1ヶ月あたり、28,000円の余剰を残したお金の使い方を計画し、辛抱強く実行出来れば目標は達成となります。

ではこの三ヶ年計画に、次の年から徴収が始まる住民税を考慮に入れられる若者はどれくらいいるでしょうか。

何十年と先の、車などよりもっと必然性の高い何かに備えるための長い計画を立てたくなる時が来るとしたら、その期間に先の住民税のようなノーマークの障害は、一体いくつ含まれているのでしょうか。

この “お金の使い方計画” の精度を上げる為の助言が出来るのが、ファイナンシャル・プランナーが持つ技能です。
長い人生の中には、“将来的にどれくらいの収入が得られるか” など、お金に関する不確定要素は山のようにありますが、その一方で “これをするのならこれだけ掛かる” といった、決め打ち的な出費が沢山あるのも確かなのです。
FP は相談者が資金計画を立てる上で、将来的に多くの人が迎えるであろう支出のきっかけや時期、おおよその額面までも教示出来るよう、金融分野における知識を広範に身に付けた専門家であると考えて下さい。

初回である今回は、ファイナンシャル・プランナーについて、まずはその名称が抱かせがちなイメージを中心にした説明を行いました。
ここまでのくだりでは、FP との距離を近くして活用し続けることの利点はまだ分からないかと思います。
そこで次回の記事では、 FP の役立つ場面が計画の段階に留まらない、その理由や正しい接し方などについて記した内容でお届け致します。
後半になればなるほど核心を突いた内容になりますので、どうぞお楽しみに。

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