エージェント活動 2021.03.22 UpDate

MONDAY, MARCH 22, 2021

介護で得た町家のエピソード

みなさまこんにちは。京都は桜があちこちで開花しております。


私の経験を共有させていただきます。


ご自身の家を住み替えたり、引っ越しされたりするときに


どんな家がいいかな?というのがインターネットに掲載されていますが、


私の場合は、お友達からの紹介で現在の町家にたどりつきました。


私は長屋で育ちましたので、木造の家、庭がリビングから見える家というのに


抵抗がなく、それが昭和のときには、結構普通にありました。


庭+リビングとまでは行きませんが、現在は、広いデッキのある空のある


町家に暮らしております。


 


私の父の介護は、「突然」始まりました。


一人で生活し、バイクに乗っていた父でしたが、ある日勤務中の私に電話があり


「救急車で運ばれた」と言うのです。2、3日前に話したばかりなので信じられませんでしたが


勤務中の大阪から京都までかけつけると、父には会えず、先生から今、手術をしないと


いけないので、サインをして下さいとのこと。脳梗塞でした。そして手術はできるのですが


必ず「失語症」になるとのことでした。私には受け入れ難い現実でしたが、夜中じゅう病院の


硬い椅子に座って手術が終わるのを待ちました。


 


入院がどれくらいになるかわからない。いろいろな不安もありました。


そして術後がよくなかったので、もう一度手術となり本当に病院の先生にはお世話になりました。


そこで大原の方の病院で、リハビリが始まりました。リハビリは6ヶ月以内にしないと


機能が落ちますし、そこでだいたい介護度が判断されるので、大きな手術をした父は


娘に言われてがんばっているようでした。


 


リハビリで滞在できるのは6ヶ月だけでした。そのあと、3ヶ月ごとに、違う病院に滞在せねばならず


地域連携の担当の方には、病院さがしや、見学などお世話になりました。最も心配だったのは


「失語症」でした。娘の言っていることはわかるが、お世話をしてくれる方のことが


わかるだろうか、慣れてきたと思ったら、3ヶ月後にまた転院しなければならないのは本当に大変でした。


本人にとっても大変だったと思います。ある病院では、先生が親身になって聞いてくださり、


食事も日中は動けるのだから、車椅子で目の届くところで食事が可能となりました。


しかしながらある病院では、人手も足りないし、誤嚥(あやまってのどに物が詰まること)の


可能性もあるので、流動食で病室でとなりました。


 


特別擁護老人ホームは長蛇の列、1000人待ちだとネットでありましたが、実家から「近い」


順に探し、私の家からも見に行けるところを探しました。自分でも何をどこに頼っていいかわかりませんでしたが


病院にある地域連携室から情報をいただきました。長蛇の列でしたが、いろいろな条件や希望があり


ある日、空きがでたので入れます、となりました。


いくつもサインアップしていましたが、一番本人の実家の近くになりました。車椅子になりましたので


遠くへは行けませんでしたが、屋上から同じ京都の山並みの景色や、祇園祭のお囃子を聞くなどができ


大変ラッキーでした。お祭りやイベントもあり、そのような施設はとてもアットホームで


スタッフの皆様とも父を通して色々、入院や食事の話も連携してできました。


これがもし、遠くの、全く知らないところの施設だったらどうだったでしょう。


 


お腹の大きい時に、父が入院し、父の身体を支えるのもできませんでしたが、やはり


プロの方が、さっと車椅子に移乗させてくださったり、介護も地域と連携して協力して行くのが一番


父にとって良い方法だと実感しました。


 


最終的には、父は病院で息を引き取りました。しかし病院で終末を迎えた場合、


自宅でお通夜やお葬式となると、「町家では玄関の高さや、狭さがあるので割高になります」という


お答えがありました。


 


私の家の前の道路はとても狭く、通り抜けできません。そういったことも


終末期をご家族と共に暮らしたいという方には気をつけて見ておかなければならないということを


知りました。


 


ですので街中の、いわゆる「ホール」というところから、お山へ向かいましたが


その際に、私のお世話になっている京北のお寺の尼僧様にきていただけて、きちんと


お見送りができたことは本当に一生忘れない思い出となりました。


尼僧様がおっしゃるには、「私は向こうの世界のプロです」とのことでしたので


お寺がない、お寺が遠い、お墓が遠い、お位牌はどうするのということもすべて


教えていただくことができました。


 


2021年になり、父はもう天国におります。


皆さまも、引っ越しの理由が、介護や、子育てなどいろいろあるとおありだと思いますが


人生では多くの方が通る道です。そんな経験もあり、福祉住環境コーディネーターの


学びを行った経緯もありますので、介護のための家や、病院から近い家などもぜひご相談下さい。


京都には、廊下や階段も広く、高齢者施設用に作られた建物もございます。


その方の介護度、ご家族様との距離によって、よい暮らしを探して差し上げられればと思います。


家えらびは、くらし選びです。人生のステージによって、一番便利で快適なそして


ご家族みなさんが健康を維持できるスタイルをお勧めいたします。


 


 


 


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