相続登記を後回しにすると大変・・・
不動産コンサルお父さんが亡くなった。
お通夜、お葬式も終わり預金も無事全額引き出すことができ一安心。
『うちは相続税とか関係ないし、これで一通り終わったね。お母さんあとはゆっくりして。』
こんな会話がされている頃、一つ重要なことを忘れています。
不動産の登記名義を切り替えることを忘れている人が多いのです。
知らなくて相続登記をしていない方、知っているけど費用がかかるのでいつか売却の時にすればいいと考えている方いろいろいるとは思いますが、放ったらかしにしていたら大変なことになる場合があります。
このようなケースで考えていきます。
まず、お亡くなりになられたご主人には奥さまがいて、子どもはいません。
そしてご主人にはご両親がいましたが、ご主人が亡くなる前に他界しています。
ご主人にはご兄弟が二人いました。
この場合、法定相続人は誰になるでしょう?
答えは奥さまが3/4、ご兄弟がそれぞれ1/8づつとなります。
亡くなったご主人が遺言書を残し、奥さまに全額遺産は譲り渡すとあったとしましょう。
その場合ですと、兄弟姉妹には相続財産の遺留分はありませんので全額奥さまのものになりますが、遺言書がない場合遺産分割協議が必要となり、基本的には法定相続分をベースとして財産分与が行われることになります。
※遺留分とは:遺産の一定割合の取得を保証するもので、配偶者、子ども、親は法定相続分の1/2で兄弟姉妹には遺留分は認められていません。
相続登記がなされていない状態だと、ご主人の兄弟姉妹に法定相続分は残ったままになってきます。
さらにその兄弟さんたちがお亡くなりになられた場合、その相続権は子どもたちに移行します。
弟の子どもA,B,C、妹の子どもa,b,c、そして奥さんの計7人が相続人となります。
この不動産の売買をしようとすると7人の印鑑を押した遺産分割協議書が必要になってきます。
子どものうち1人はアメリカに留学、もう1人はオーストラリアに永住とかになるともう大変です。
さらに奥さまがお亡くなりになられた場合、その奥さまのご兄弟、ご兄弟の子どもに相続権は移行します。
もう誰が何分の一か分からなくなりますよね。
最初にご主人が亡くなった際に、きちんとお話ができていれば
『奥さんがそのまま住んどきなよ。私たちは相続財産など要らないから。』
こう言ってくれることもあったかもしれません。
そう言ってもらった時に相続登記をしていればこんなに複雑な権利関係にならなかったでしょうから・・・
『鉄は熱いうちに打て』
と言いますが、早め早めに処理しておくことが大切です。
世の中にはこういった権利関係になり、売買ができない状態になっている不動産は数多く存在します。
完全な売買をするには所有者全員の同意が必要だからです。
ご相談いただいた案件の中にも、相続人の一人が同意いただけなく売買できなかった物件があります。
こうしたことをなくすには、事前に相続登記をきっちりとしておくことが必要です。
『あっ。うちの土地そのままになっていたんじゃないかな?』
こう思った方はぜひご相談ください。
『いつか売却するタイミングが来たら、その時でいいや。』
じゃないですよ。
気付いたうちにやっておく。
これが重要です。
相続相談はRE/MAX L-styleまで。
ご相談お待ちしております。