不動産コンサル 2019.05.12 UpDate

SUNDAY, MAY 12, 2019

「空き家」の発生を抑制するための特例措置について

空き家の譲渡所得に対し3000万円特別控除がある

「介護施設に入居して住む人がいなくなった」、「実家を相続したけど戻る予定はない」等、理由は様々ですが、全国的に空き家が増加しております。

この空き家問題につきましては、『空き家の借上げ制度や『リフォームに対する自治体の助成など、有効活用について様々な施策があることは、前の記事でもご紹介いたしました。

(前の記事はこちら↓をご覧ください。)

「空き家」がお金を生む『おまかせ借上げ制度』とは?

空き家の再生や除去に補助金が出る「空き家再生等推進事業」について

 

しかし、様々な施策があるとはいえ、相続税の納税資金準備やその他諸事情により、売却したいという場合も少なくないと思われます。

そんな時にうれしい制度が、空き家の譲渡所得の3000万円特別控除です。この制度が適用されれば、通常なら負担になる所得税や個人住民税が軽減されることになります。

特別控除制度の概要

相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人が住んでいた家屋を相続した相続人がその家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む)または家屋取り壊し後の土地を売却した場合は、その売却による譲渡所得から3000万円を特別控除するというものです。

《この制度を適用した場合の譲渡所得の計算式》

譲渡所得=譲渡価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除3000万円

適用を受けるにあたっての要件及びポイント

本制度の適用要件と適用に際して気を付けるべきポイントは次のとおりです。

 

①相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること

②2023年12月31日までに譲渡すること

③相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたこと

(※一定要件を満たせば、老人ホーム等に入所していた場合も適用対象)

④相続の開始の直前において被相続人以外の者が住んでいなかったこと

⑤昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建物は除く)であること

⑥相続の時から譲渡の時まで、事業の用、貸付の用又は居住の用に供されていたことがないこと

(相続開始後に空き家にしておくのはもったいないと賃貸していた場合は、適用されなくなります。)

⑦譲渡価格が1億円以下であること

⑧家屋を譲渡する場合、その譲渡時点において、その家屋が現行の耐震基準に適合するものであること

他の税制との適用関係

①自己居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除との併用が可能

(但し、同一年内に併用する場合、2つの特例を合わせて3000万円が控除限度額となります。)

②自己居住用財産の買い替え等に係る特例措置との併用が可能

(譲渡価格要件:1億円以下)

③相続財産譲渡時の取得費加算特例と選択適用

④住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除との併用可能

※①と②は、いずれかとの併用が可能となります。

 

上記のように、本制度適用にあたっては適用要件がたくさんあります。

(詳細はこちらをご覧ください。)

また、様々な書類を提出する必要がありますので、本制度の適用を予定している場合は、早めに準備を進めましょう。

空き家は維持管理にも負担がかかりますので、早めに売却することも検討が必要です。

相続人間でよく話し合い、税理士等の専門家や本制度等を上手に利用しましょう。

 

 

RE/MAX JIP エージェント

矢 吹 竜 一

E-mail:ryuichi.yabuki@remax-agt.net

 

(※個人ブログ『住宅問題.com』から抜粋・リライト)

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