中国の景気減速が顕著になってきてます。
4〜6月のGDPの伸び率は、中国政府の予測を下回る4.7%だったと報じられています。
そもそも中国政府から発表されるGDP成長率は、その信憑性ついても疑問視されていたところもありますので、
実は、景気低迷はかなり深刻な状況にあると考えていいのかもしれません。
最も足を引っ張っているのはGDPの30%程度を占める不動産ですが、取引量の低迷から価格の下落にフェーズが移り、
一段と中国の不動産の低迷が中国経済全体に及ぼす影響が色濃くなってます。
一方で日本のタワーマンションの高層階を買い占め、引き渡し前に転売するバイヤーが大勢日本で目立ち始めています。
また中国人の不動産の売却を手掛けるのがこれまた中国人の業者で、果たしてこの状況をどのように考えればいいのか悩みます。
団地の再生
日本全国で老朽化した団地の再生プロジェクトが進められております。
団地は、第二次世界対戦後の住宅不足を解消するために日本各地で建てられましたが、
1956年に分譲された東京都小平市の小平団地が最初の団地だと考えられております。
元々団地とは、工業団地、農業団地、流通団地など単一機能の集積する土地のことを指しますが、
いつしかURや地方公共団体の運営する公営住宅を一般的に指すことが多くなりました。
団地は、高度成長期に入り日本国中に次々と建てられ、日本国民の憧れの住宅となっていきます。
2DKの間取り、食事する場所と寝る場所が分離されたモダンな造りが人気を博し、
そこに三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)を団地の部屋に置くことがステータスとされていきます。
今では考えられないですが、当時の日本では人口が急激に増加し住居の確保が難しい時代になり、
憧れの団地に入居するためには抽選で勝ち抜かなければならないといった状況になっていきます。
そのため巨大な団地が次々と開発され、高島平団地を筆頭に、多摩ニュータウン、
千葉ニュータウンなどが増える人口をどんどん吸収していったのです。
その団地も全国各地で老朽化が進み、建物の老朽化に合わせて住人の高齢化も進み、
エレベーターなしの5階建ての団地は空室が増え、
ゴーストタウン化して地域が寂れて行くことに歯止めがかからない団地も目立つようになって来たのです。
そんな団地を再生しようとするプロジェクトが各地で進められております。
再生テーマとしては、「子育て」「高齢者」「空室活用」が中心となっています。
いくつか例を挙げさせていただきますと、
・横須賀市“浦賀かもめ団地”
「ふれあいの家」として団地を活用して、認知症になっても安心して暮せる町、徘徊しても周りで見守りできる町にを
スローガンに取り組んでます。
・千葉市“花見川団地”
空き店舗を活用した「はなみがわLDK+」を設け、コミュニティの拠点としてキッチン付レンタルスペースとして、
これから飲食業を志す人のチャレンジの場として提供しています。
・相模原市“くすのき団地”
「子供応援団」が「くすのき広場」を運営し、子供の居場所を提供しています。
ここでは、子供食堂をはじめ、学習塾が開催され、生活保護世帯、ひとり親家庭の支援をしてます。
ほんの一例ですが、全国各地で団地の再生、団地の活用が行われ、このように現代の日本で深刻な問題となっている
少子高齢化の対策の一翼を担っています。
これ以外にもエレベーターなしの5階建ての団地が多いため、高齢者者が階段を使って高層階に移動できないので、
4階に居住スペース、5階にワーキングスペースといった造りにリノベーションして貸出している団地もあります。
今後は、団地に限らず国民の高齢化、建物の老朽化が進む日本で、絶対に必要な取り組みかと思います。