日本人の死亡者数は毎年増加傾向にありますが、死因のトップ3は、長年1位が「悪性新生物(がん)、
2位が「心疾患」、3位が「脳血管疾患」と続いていました。
近年は、「脳血管疾患」が減り、代わって浮上してきたのが「老衰」です。
これは、高齢化の進行と医療技術の進歩が背景にあります。
先日、慶應義塾大学が過去30年の日本人の健康状態を解析し、2015〜2021年の日本人の死因のトップは、
「認知症」だとする研究結果を発表しました。
厚生省が出す死因の定義や算出方法とは違いますが、世界的には「認知症」のように長期にわたって
症状を悪化させる病気を死因として扱う傾向があり、その傾向に従った算出方法によるものです。
「認知症」の患者は、2025年には471万人にも達し、その予備軍と見られる「MCI」の数は561万人と推計されており、
いずれ65歳以上の20%が「認知症」になると予想されております。
「認知症」になると判断能力がないと考えられ、契約行為の一切ができなくなります。
そのため、「認知症」になった後に資産の売却等を行うためには、成年後見人をつける必要がありますが、
成年後見人をつけると遺産分割協議がまとまらない等の問題が起こることも多く、使い勝手の良い制度とは言えない部分も多分にあります。
そこで弊社では、「認知症」の対策として信託を使って資産を民法の枠組みから外す対策を早い段階で生前に検討されることを提案させていただいております。
2025年公示地価
3月18日に国土交通省から発表された2025年1月1日の公示地価は、全用途の全国平均が、対前年2.7%の上昇でした。
この上昇率は、1992年以降で最高の伸び率ということで、つまりバブルが崩壊して以降、最高の伸び率だったことになります。
この上昇率を牽引したのは、大都市圏であることは間違いありませんが、前年の伸び率を上回ったのは、
東京圏、大阪圏のみで名古屋圏は昨年の伸び率を下回り、また地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)も
前年の伸び率を上回ることができませんでした。
東京圏、大阪圏の伸び率の背景には、やはり国外からの投資マネーの存在が大きいのですが、
国別の投資額で見ると、日本はアメリカ、イギリスに次いで3番目となっております。
また都市別では、東京がニューヨークに次いで2番目でした。
昔赤坂プリンスホテルがあった場所に建設された東京ガーデンテラス紀尾井町を
米投資ファンドのブラックストーンが約4000億円で買収したという情報もあり、
海外の投資マネーは日本の不動産にターゲットを置いて今後も積極的に投資を行っていくことが考えられますので、
巨額の投資マネーを背景に東京圏、大阪圏の地価は更に上昇することが予想されます。
地方に関しては、インバウンドの増加の影響で観光施設、飲食店等の進出が活発になっていることで、地価が上昇している地域が目立ちます。
一方で、企業誘致、インバウンド招致ができていない地方の地価は下落しているところもあり、大きく2極化しており、
乗り遅れを実感している地方の行政は挽回に焦りも出始めているのではないかと推察できます。
昨今の地価上昇は、バブル期のように物価の上昇率と地価の上昇率が大きく乖離していた現象と違い、
物価上昇に連動した上昇率となっていることが確認できますので、現在の地価上昇がバブルとの認識は違うかと思います。
これだけ上昇していても日本の不動産価格は、世界的に俯瞰するとまだまだお得感があるようですので、
今後も一定の上昇率はキープしていくと思われます。