数日前の日経新聞の記事に住宅展示場が縮小傾向にあると載ってました。
コロナ禍で展示場に行って実際に家を見ながら住宅メーカーの説明を受けるといった光景が少なくなっているようです。
注文住宅の市場もここ20年で25%縮小したと報じておりました。
またモデルハウス一棟の年間の維持費が3000万円~5000万円かかるともありましたので、
展示場を縮小するのもやむなしというところかもしれません。
では、展示場を縮小してどうやって注文住宅を販売していくかですが、ここでもやはりデジタルの出番のようです。
仮想空間でアバターを動かしながら住宅を見学するというスタイルらしいのですが、
やがてこのスタイルが定着して主流になるのかもしれません。
シロアリについて
建物の天敵と言えば、シロアリですね。
先日、拙宅において床下のシロアリ検査を行いました。
幸い蟻道(シロアリの通った跡)も見つからず、被害なしの結果でしたので、
胸を撫で下ろしたところです。
新築時にシロアリ対策として薬剤散布を行いましたが、それから結構な年月が経っておりますので、
これを機に再度薬剤散布等をしておこうかと思います。
実際、シロアリの被害というものはどのくらい発生しているものなのでしょうか?
弊社では、売却する物件(特に戸建)は、建物状況調査(インスペクション)を必ず売主様にお薦めして行っていただいております。
その中でシロアリの被害を確認できたケースは、ほとんどありませんでした。
シロアリの検査を行うとだいたいどの程度に被害が確認できるかですが、ちょっと古い2017年のデータだと約20%だそうです。
結構高い確率かと思いますが、当然場所によってかなり差があります。
この年一番シロアリ指数(10万世帯あたりのシロアリの相談件数の割合)が高かったのは、和歌山県でした。
2位以下は、長崎県、宮崎県、鹿児島県、佐賀県と続きます。
やはり暖かい地区が多いようです。
因みにその前年は、沖縄県が一番でした。
対してシロアリ指数の低い都道府県は、北海道、青森県、岩手県、東京都と続きます。
寒い地区は、生息数も少ないのだろうと推測が立ちますが、東京都は何故低いのでしょうか?
鉄筋コンクリート造のマンションが多いからなのでしょうか?
シロアリは、木を好んで食べるイメージがありますので、鉄筋コンクリート造や鉄骨造なら被害に遭うことはない
と思っている人も少なくないかもしれません。
ところが調べてみると鉄筋コンクリート造の建物でもシロアリの被害を受けているケースが少なくないことが分かります。
シロアリはコンクリートを食べはしませんが、大きな顎を使ってコンクリートに穴を開けて蟻道を作ることは知られています。
コンクリートはシロアリの大好きな湿気を保ってくれますし、天敵の黒アリの侵入を防いでくれるので、居心地の良い場所でもあるようです。
ですので、コンクリートに囲まれているからとか、ベタ基礎でシロアリは侵入して来ないとか思っていると思わぬ被害に遭うこともあるようですので、
気をつけられた方がいいようです。
しかし、私のイメージではシロアリの被害の最も多い都道府県は、沖縄県だと思ってました。
他の都道府県と違って、様々な種類のシロアリが生息しているからです。
一般的に日本に多く生息しているシロアリは、ヤマトシロアリで、湿気の多い場所を好みます。
これに対して沖縄に生息しているシロアリは、乾燥を好む外来種もいて、湿気を取り除いてもシロアリの侵入を防げません。
また、沖縄にはアメリカ軍の基地が多数あり、シロアリが発生しているエリアはアメリカ軍基地周辺が多いのも特徴的です。
これは、アメリカ本土から運び込まれた段ボールや家具などにシロアリが潜んでいたためと考えられております。
沖縄にはあらゆる種類のシロアリが生息していると申しましたが、
空中を飛び交って窓から侵入するケースもあると言われております。
建物に蟻道が確認できなくてもタンスなどの木製の家具がシロアリの被害に遭うのは、このためです。
シロアリは、目に見えないところで密かに侵入してくるものですので、
定期的な検査と薬剤散布等の対策を施すことが建物を長持ちさせるコツかと思います。