各国の金融引き締めで公的資金のファンドの資産運用に明暗が出ているようです。
ファンド毎に運用ルールに基づくポートフォリオを組んでリスクを最低限に抑えながら運用しているのでしょうが、
運用結果で大きな黒字を出しているファンドがある一方、大きな赤字を出しているファンドも出ています。
世界トップの大学を創るために政府が創設した大学ファンドでは、昨年度の運用実績は604億円の赤字でした。
運用先の55%をグローバル債権でポートフォリオを組んだため、
世界中の多くの国が利上げを行ってきたことで含み損を大きく抱えてしまいました。
他方、かつて大きな赤字を出したことで年金問題がクローズアップされたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の昨年度の運用実績は、
2.9兆円の黒字となりました。
こちらは、資産の25%を国内株が占めていることで、債権安のマイナスを補うことができたということです。
国民の大事な大事な虎の子を運用する人たちのご苦労、ご心労を考えると、結果を見て簡単に責めることはできませんが、
人口減少が進む日本での運用益は人口増と同じ効果が期待できるので、頑張っていただきたいと思います。
でも、そのうち公的資金の運用は、AIに丸投げされることになるかもしれませんね。
住宅ローンの金利競争
最近も住宅購入意欲は減退することなくますます増進されているようで、住宅の価格は下落する兆しが見えてきません。
特に首都圏に関しては、バブル以降最高値となっており大リーグの大谷選手のように日々記録更新が続いている状況です。
全国津々浦々細かく確認していくと全国あらゆる地域で住宅価格が上昇している訳ではありませんが、
全体感としては上昇トレンドが続いているイメージです。
この住宅価格の上昇を煽っているのが、住宅ローンの金利であることは間違いありません。
パワーカップルと言っても1億円を超えるような高額物件をバンバン買えるのも住宅ローンの金利が低いからに他なりません。
最近の住宅ローンの金利は、どの程度になっているのかお分かりでしょうか?
現在最も低い金利で貸出しているのがauじぶん銀行で、何と変動型で0.219%という信じられないような低金利となってます。
どこかが金利を下げるとそれに追随する形で金融機関が一斉に金利を下げるといったレッドオーシャン状態になり始めてます。
この金利では、住宅ローン単独で考えた場合、利益が薄く旨味のない商品になってしまったように思われますが、
住宅ローンが30年、35年と、お客様と長期のお付き合いができる優等生商品として
ラインナップから欠かすことのできない商品として位置づけられております。
長い間に、保険や投資信託を勧めることができますし、教育ローンや自動車購入ローン、カードローンをお使いいただくこともできますし、
最終的に終活の対応もしてあげることも可能ですので、ポテンシャルの塊のような商品と思われてきました。
ところが、みずほフィナンシャルグループはこの住宅ローン競争から事実上の撤退を宣言したのです。
みずほと言えば、コロナ禍で住宅ローンの金利を0.375%に引き下げ、同業を慌てさせました。
現在の住宅ローンの低金利競争に火を点けた張本人のみずほが、事実上の撤退を宣言をしたので、
またまた周囲を大変驚かしたのです。
果たして他の銀行等がみずほに追随して住宅ローンの低金利競争から抜けていくのかは何とも言えないと思います。
みずほなき後も更に競争は激化していくかもしれません。
日銀の政策金利は今暫く現行水準をキープしながら世の中の状況を見極めることになると思われますので、
住宅価格に影響を及ぼすような住宅ローンの金利の変化が確認できるようになるのは、
未だ暫く先のことかもしれません。