2024.12.23 UpDate

MONDAY, DECEMBER 23, 2024

IZUMAI通信 Vol.316

闇バイトで集めた若者に詐欺、強盗、傷害、殺人を強いるトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)を

摘発するために仮装身分捜査を導入するとの報道がありました。


今までもわざと犯人グループの誘いに騙されて犯人に接触する囮捜査は行われておりましたが、

仮装身分捜査は身分証明書を偽造して犯罪グループに接触するというスパイ映画さながらの

危ない捜査手法で、その導入はトクリュウ撲滅に並々ならぬ警察の意気込みを強く感じます。


犯罪グループの摘発に期待したいところですが、そもそも若者が明らかに犯罪につながるような

闇バイトに応募してしまう状況を何とかしないと根絶することはできないでしょう。


103万円の壁問題で国会では議論が交わされておりますが、選挙のための単なる人気取りでなく、

社会構造の改善、経済状況の向上に繋がるような施策の実現に議論を戦わせて欲しいです。



相続対策について


皆様は、ご自身の相続、ご家族の相続について何か対策を図っていますか?


国の国民生活基盤調査によると、相続のことについて考えたことがある人は全体の60%、

実際に何らかの相続対策をしていると回答したのは、全体の20~30%だったそうです。


この数字をどう読み解くかですが、相続税を支払っている比率は相続発生件数の約9%ですので、

相続税を支払う必要のない人たちも相続のことを考え、相続対策をしているということになります。


相続対策をしていると回答した人の年収がいくらくらいかということを確認すると、

年収600~799万円が一番が多かったということです。


資産額で見てみると、平均値が約3,200万円、中央値で1,600万円ということです。


相続税の基礎控除が、3,000万円+法定相続人×600万円ですので、相続人が妻、子2人の3人だと、

基礎控除額は4,800万円なので、既に対策を図っていると回答している人の多くは、

やはり相続税がかからない、もしくはかかっても大きな金額にならないような人たちであると思われます。


何故この層が相続対策に取り組んでいるのでしょう?


相続税がかからないから対策を取らなくてもいいかというと、実際相続でもめている人達の結構な割合を確認すると、

相続税の対象になっていない人たちが過半数以上であることが確認できます。


相続でもめた経験がある人がどのくらいいるかというと78%もいるそうです。

また司法統計によると、遺産総額1,000万円以下の場合のトラブルの割合は32%、

1,000万円~5,000万円までは43%ということで、75%が相続税の対象になっていない、

あるいは大きな金額の相続税を支払う必要のない人たちだと分かります。


何で相続税を払う必要が無いのにこんなにも多くの人達が相続で揉めるのでしょうか?

最も考えられる理由としては、相続財産の大半が自宅等の不動産であるケースが多いからと推察します。


被相続人の親と同居していた相続人である子は、親の面倒をずっと看て来たし、

生活の拠点になっている自宅を手放すことに抵抗が生じることは当然かと思います。

このケースで自宅を相続させてもらうために他の相続人に現金(代償金)を渡すことができれば揉めずに済みますが、

大概の場合は代償金を払うだけの現金を用意していないことで、遺産を独り占めするように思われ揉めるのです。

この場合の対策としては、早くから生命保険に加入しておけば防げたケースかと思います。


では相続対策済と回答している人たちは、何をして対策を図っているのでしょうか?


遺書を書いている人が多いのかもしれませんね。

あとは何をされているのか不明です。


一方資産を沢山お持ちの方々は、当然色々と対策を実行していると思いたいのですが、

仕事でお付き合いさせていただく資産家の方々は意外と綿密な対策を実行している人は多くないなと感じます。

対策を実行しないままその時を迎えてしまったり、認知症になって何もできなくなってしまったり

という残念な人たちもいるのではないでしょうか?


相続対策は、税理士に任せているので問題ないと言われる資産家の方が多いのですが、

実際に何をして対策を講じているか全く把握していない資産家の方々が本当に多いです。

このような状況で相続が発生した時に様々な問題が発生します。


本来特定の資産を特定の相続人に相続させようと考えていたものの実現できず、

本来支払わずに済んだ筈の相続税を払う羽目になったり、揉めずに相続させようと考えていたのに

相続人間で揉め、調停~裁判となってしまったりと泥沼になってしまったケースも少なくありません。


今後このような残念な相続にならないように、新設した相続の会社でご相談をお受けしていこうと思います。

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