この東京都の条例に基づいて豊島区では、「豊島区マンション管理推進条例」を制定し、
分譲マンションの管理組合に対して「管理状況届出書」の提出が義務付けております。
豊島区の条例は、東京都の条例に比べ、より義務化の度合いが増しております。
元々この条例が制定された背景にあるのが、マンション住民の高齢化のため、管理組合の役員になる人が不足していることと、
修繕積立金の積立不足から修繕意識が低下していること、南海トラフ等の大地震の発生確率が年々高まっているものの防災意識がなかなか高まらないことなどがあります。
住民も高齢化が進んでいますが、マンションも老朽化が進んでいるため、適当な時期に適当な修繕を行うことが必要であるにも関わらず、
先延ばしにすることで資産価値が毀損し、売却もままならないマンションも増えてきております。
豊島区は、2014年に日本創生会議から「消滅可能性都市」に指定されました。
若年女性(20〜39歳)が、2010〜2040年に半減する都市のことで、東京都で唯一豊島区が指定されておりました。
この指定を受けて豊島区で「女性にやさしいまちづくり」に取り組んで様々な施策を実施し効果を上げた結果、
「消滅可能性都市」から脱却することができました。
マンションの管理状況の報告もこの「消滅可能性都市」の指定された危機感から他の行政区より取組姿勢が積極的であるのだと思います。
全国で人口流入が増えている、出生率が上がっている市町村が現れておりますが、
どこの市町村もこの「消滅可能性都市」から脱却を目指した危機感から結果を出したものではないでしょうか。
やればできるということを実証したと言ってもいいと思いますが、我が街に是非という人口の取り合いの施策だけでなく、
人口増に真剣に向き合う市町村が増えてくれれば、現在の出生率の低下に歯止めをかけることができるのではないかと思います。