2025.12.01 UpDate

MONDAY, DECEMBER 01, 2025

IZUMAI通信 Vol.353

香港の高層マンションの火災は、すざましい燃え方でしたね。


現状亡くなった人が128人で今なお多くの方が安否不明ということですので、死亡者はかなりの人数に膨れ上がると思われます。


ここまで甚大な被害をもたらした原因ですが、ひとつに竹で作った足場が取り上げられております。


20年以上前に香港に行った時、あちらこちらで竹の足場を組んで工事をしている姿を確認しましたが、


その時に竹で組んだ足場で危なくないのかと感じた強い記憶があります。


あれから長い年月を経て未だ竹を使っているということが信じられませんでした。


しかも高層の建物に使っていることも驚きでしかありません。


香港は地震がないということで狭い面積の土地に多数の高層建物が林立しておりますが、


地震が無いという確信もあって竹の足場を使い続けていたのでしょうか。


今回は、原因不明の火災でしたが、万が一大地震が発生した時の被害を考えると


想像を絶する事態になるのだろうと思います。


香港は世界第3位の金融センターで中国と世界をつなぐ唯一無二の金融プラットフォームであることを考えると


大地震等の大災害に見舞われると世界恐慌を引き起こす可能性すら考える必要があるのではないかと感じます。


東京のマンション高騰に対する施策


東京のマンションが高騰を続けており、その上昇トレンドが鎮まる気配がないと連日のように報道されています。


今は、東京が注目を浴びておりますが、マンション価格の上昇率で大阪が世界一位となったという報道もあり、


東京の次は大阪という流れが出てくるかもしれません。


この背景にあるのが何と言っても円安にあると考えられます。


高市政権になって対ドルで10円前後、対ユーロでも10円前後安くなっていることが海外からの投資を呼び込んでいると思われます。


今国会で外国人が不動産を購入することへの規制、新たなルール作りを議論しておりますが、


そもそもの元凶は円安にあるので、円安に歯止めを掛けることが先決ではないかと思わなくもありません。


国会では物価高対策で21.3兆円の補正予算を組むことが見込まれていますが、


いくら補正を組んでも円安を止めないと焼け石に水ということにならないか懸念を感じます。


今国会で議論されている外国人の不動産購入対策を挙げてみると以下のようになります。



  • 外国人土地取得規制法案の再提出


2024年12月、 国民民主党 と 日本維新の会 が共同で、外国人等による土地等の取得・利用・管理に関して包括的に規制する法案を衆議院に再提出しました。


この法案では、安全保障上の懸念だけでなく、最近の土地取得の増加や住宅価格/地価高騰、地域資源(水源・森林・農地・観光地など)の保全も念頭におかれており、


対象地域や用途を広げる提案があるようです。



  • 安全保障に限らず、水源地・農地・インフラ周辺・観光地まで対象を広げるべきという主張


これまで「防衛施設周辺や国境離島」などごく限定的だった規制対象を、例えば「港湾・空港・通信施設・水源地・森林・観光地・リゾート地」などにも広げよう、


という議論があります。


特に地方の自然資源や観光地での「大規模な外国人による土地取得」への懸念が、地元住民や自治体からもあがっており、国会での議論につながっています。



  • 取得時の届出義務、国籍報告制度の強化


最近の報道では、「土地取得時に取得者の国籍を明示する届出義務化」の検討が報じられています。


たとえば、法人による取得の際には「設立国/国籍」まで届け出の対象にする案が検討されているようです。


これにより、誰がどの土地をどれだけ持っているかを国・自治体が把握しやすくした上で、不動産の集中/過度な土地所有が起きないよう管理・抑制をする狙いがあります。



  • 課税・税制の見直し(非居住外国人や投資目的の購入に対する重課など)


一部の議員や政党からは、投資目的・賃貸目的・転売目的での外国人所有不動産に対し、税制面での見直しや重課を求める声があります。


特に、住宅価格高騰や賃貸供給のひっ迫を抑えるため、制度を使った抑制の可能性が議論されています。


また、投機的取得の抑制を目的に、複数戸購入の制限、転売制限などの制度提案も一部で出ています。



  • 短期転売を制限する案


外国人が取得した不動産を 一定期間転売禁止(最低保有期間) にする案

海外(シンガポール・カナダ・オーストラリア)の制度を参考にした議論がされております。


保有期間 2~5年の転売規制がモデルとして挙げられています。



  • 短期転売に対する「重課税」を導入する案


転売禁止ではなく、短期売却(例:取得後12年以内)に重い税率をかける制度も議論がされております。

海外と同じ投機抑制税(Speculation Tax)の導入を目指すというものです。



  • 外国人による反復継続的な取引の実態把握を義務化


「取得した外国人の国籍・目的」を届出義務に一定数以上の転売・買い増しがある場合、


行政が調査可能にする案(=マネーロンダリングや投機的取引を抑止) も議論がされております。


個人的には、この中でマンション高騰を抑制するための施策としては、短期転売の禁止が最も有効かと感じます。


ただ、根本原因は円安に他ならないと思いますので、適正な水準に戻すための施策を期待します。


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