2022.10.16 UpDate

SUNDAY, OCTOBER 16, 2022

IZUMAI通信 Vol.200

暑さ寒さも彼岸までと言いますが、朝晩急に気温が下がってきました。

近年、酷暑から急に気温が下がって冬にまっしぐらみたいな年が増えてきましたので、

今年も秋を挟むことなく冬になってしまうのかもしれません。

四季がはっきりしなくなり、いわゆる日本的な風情を感じられなくなってきたと感じます。


俳句を詠まれる人は、季語の使い方に腐心されているのではないかと老婆心ながら、心配してます。


このIZUMAI通信も今回号で200回目となりました。

何とか週一ペースを維持しながら継続させていただきましたが、

今後ともお付き合いいただけますようお願い申し上げます。



基準地価全用途プラスに


土地の価格は、一物一価どころでなく、二価も三価もあることはよく知られています。

公示地価、固定資産税路線価、相続税路線価、それと今回のテーマの基準地価などがあります。

この他に実際に取引される価格が実勢価格になります。


不動産は他の物品と違って、近くにあっても、隣り合っていても、同じ価格になることはまずありません。

土地の形状であったり、傾斜の有無、間口の狭い広い、高低差の有無、前の道の幅、前の道に接している長さ、角地かどうか・・・・

様々な土地のコンディションによって価格が変わってきます。


地価というのは色々な用途によって価格が決められていますし、一つ一つの土地の価格について、

上記のような視点で査定していきますと、まったく同じ価格になるということはありません。

ですので、基準地価などはある意味で申しますと、

土地の価格の動向、水準をマクロ的に確認する指標の一つと考えて宜しいのかと思います。


今月20日基準地価が発表されました。

基準地価は、各都道府県が不動産鑑定士に依頼して今年の7月1日時点の土地の価格を調査したものです。

ただ、7月1日時点と言っても半年に渡って調査しますので、

急激な土地の価格の変動がある場合はタイムリーに価格を反映させることができない場合もあります。


この基準地価は、公示地価と合わせて不動産価格のトレンドを確認するには必要な指標になるのは間違いありません。


今回全用途の全国平均が0.3%上昇し、3年ぶりにプラスになりました。

住宅地は、なんと1991年以来31年ぶりに上昇したということです。

31年ぶり?と言われると、そんなに住宅地は長年低迷していたということになりますが、

現場で不動産取引している者からすると実に違和感を感じなくもありません。


今回の住宅地の基準地価の上昇で目立つのが、地方4都市と言われる『札幌・仙台・広島・福岡』ですが、

特に札幌周辺の価格上昇が顕著でして、住宅地上昇率トップ100のうち82地点が北海道だったというのも意外な感じもします。

先日、TVで福岡が熱いという内容の特集を流しておりましたが、この地方4都市のようないわゆる支店都市が今脚光を浴びているのは、

コロナによってテレワークが常態化したことも影響しているのかもしれません。


さて今後は不動産の価格はどのように推移していくのでしょうか?


首都圏の地価は、過去を振り返ると常に日経平均に多少の遅効性はあるものの、ほぼ連動してきました。

日銀が金融緩和を今後2~3年も継続すると黒田総裁がコメントしておりますので、

金融緩和の影響で株価上昇→地価上昇になるのでしょうか?


他方、日本以外の先進国が金融引き締めを行っている影響で日本との金利差がだんだん大きくなり、

円安がどんどん進行しております。このタイミングが投資のビッグチャンスと捉えている海外の投資家が

日本の不動産を買い漁り始めています。


これら諸々の状況を考えると、日本の不動産の価格は今暫くは上昇トレンドが続くと考えるのが自然なのかもしれません。

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